「江戸萬」は、飛驒高山の郊外にたたずむ日本料理店。
予約は、1日1組(原則4人から)限定。
風情のある建物は、飛驒北部の豪雪の村から移築した農家を移築したもの。250年ほど前に建てられた江戸時代の建物だ。
太い柱、梁(はり)、桁(けた)。それらが縦横に入り組む骨太な木材の構成美に見とれてしまう。
座敷は23畳の広さがある。中央に囲炉裏が仕切ってある。
春、秋、冬は障子戸、夏は簾戸(すど)。
飛驒伝統の春慶塗や李氏朝鮮の箪笥。
19世紀末英国製のアップライトピアノもおかれている。
料理は山の幸、川の幸、海の幸をふんだんに使ったもの。
驒の清流で育った「鮎」。富山湾が近い地の利もあって、身の締まった
日本海の魚も四季を通じて堪能出来る。山国の飛驒でも実は「海の幸」が新鮮にいただける。
さまざまな野菜のほか、春の山菜、秋のキノコも飛驒の味だ。
店の創業者は14歳から84歳まで包丁を握った谷口功さん。
功さんが亡くなったあと、料理は、娘の女将が一人で作っている。
この素晴らしい空間に、素晴らしい仲間が集った。
30年来の旧友、切り絵作家の義基憲人さん。
主婦からFMパーソナリティに転身した服部和子さん。
高山の癒し人、虎井ミユキさん。
料理を運びながら、女将の森川みや子さんも話の輪に加わる。
見事な調度品に囲まれ、穏やかな時間が流れ、美味しい料理に舌鼓を打つ。話も弾み、最高のおもてなし空間だった。
左奥、虎井ミユキさん。左手前が服部和子さん。
右手前が義基憲人さん。
女将の森川ちえ子さん
海腹川背という。
焼き魚を盛り付ける際にきれいに見えるように
海の魚は腹を正面に向けて、川の魚は背を正面に向けるということ。
川魚の背を手前に向けるのは川を泳ぐ様を表わしている。
奥に見えるのが。
練った里芋をえごまでまぶして揚げたもの。
先代のお父さんのレシピ。