野武士のようなシェフ | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

シャナナTV「縁たびゅう」、このたびのゲストは、

薬膳イタリアン「ルーデンス」のオーナーシェフ田淵章仁さん。

昼食難民になり彷徨いながら偶然見つけたレストランが「ルーデンス」。遊び人という名のごとく、皿の上で、コンロの上で、十分に遊び尽くす。客も彼の遊びの仲間になる。

石や木切れが、盛り付けの器になる。十分煮込んだ「薬膳スープ」は、身も心も温める。献立も融通無碍。うな丼もどきや、ラーメン仕立てのようなパスタも出る。食材も喜んでいる。

初対面の時から「野武士」のような男だと思った。

多くを語らず、筋が通り、ぶれない。究める。高める。深める。

スタジオでも、多弁ではなかった。その武骨ぶりを発揮。

だが、人生の棚卸しが出来たと喜んでくれた。

 

田淵さんは、滋賀県の山々に囲まれた兼業農家の家庭で育ち、幼少期から食と農を身近に感じながら生活してきた。

料理も火を大切に扱い、風呂は薪の香りが舞うような造り。それは本能 に近い、心地よい暮らしだった。

インテリアデザインで空間演出を専門的に学び、 服を仕立てるデザイナーとの出会いで着心地の良さに目覚め、やがて、心身の健康をつくる【食】の道に導かれた。

 

京都の御所南に 【Clementia(クレメンティア=寛容)】をオープンして、素晴らしい生産者との繋がりが 原動力になった。

やりたいことが見えてきた2017年のある日、大きな交通事故に遭い、生死を彷徨う。人生には、一瞬で見える景色が変わってしまうことさえあると痛感した。

本当に自分が目指したいことは何だろうか…をベットの上で考えた。手探りのような日々の中、光が見えた。「もっと探究心を大切にしながら、生産者さんから引き継いだ食と新たな表現でお客様に心地良いときを贈りたい」。リハビリの合間を縫って薬膳を学ぶ。

そして2017年10月に、コンセプトを「体が喜ぶイタリアン」と一新し、ルーデンスをオープンした。

 

田淵章仁さんの3つの縁を聴く、シャナナTV『縁たびゅう』。

配信は8月7日(月)からの週と21日(月)の週に予定。

11:30~と20:30~の毎日2回配信。

ほどなく、YouTubeで、いつでもどこでも見られる。

24時間常時放送のインターネットテレビ局 - シャナナTV (shanana.tv)