審査員になる | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

このプロジェクトは、官民一体で空き家を有効活用し、地域の活性化や街づくりに貢献しようという試みだ。兵庫県西脇市と「ハッピーサークルプロジェクト実行委員会」とのタイアップ企画。

今回のプロジェクトは、西脇市和田町の物件をリノベーションし、全国からパン屋になる夢をもつ人を募集して、オーディションを行い、2023年夏頃に「パン屋」をオープンしてもらおうというもの。

応募条件はなんと「パン屋になる夢のある人」だけ。必要な物は「夢だけ」なのだ。

パン屋を開業するには、店舗探し、改修、融資、インテリア、広報…やることが沢山あるが、今回のプロジェクトと利用すると結果的にそこが非常にスリム化される。オーディションに合格したら、開業資金の負担なく、リノベーション済みの店舗・機器一式・戸建て住居、をまるっと低価格で賃貸できるという夢のあるプロジェクトなのだ。
年齢・経験は不問で、全国から開業希望者を募った。「経歴よりも情熱を買いたい」と門戸を開いた。

 

募集するのは市民でつくる「ハッピーサークル実行委員会」。

播州織業者「丸福商店」の別府頼明社長が知人から購入した空き家を活用し、地域活性化に貢献しようと提案した。

別府社長を代表に、丹波市の市島製パン研究所代表の三澤孝夫さんや播州織ブランド「タマキニイメ」を展開する玉木新雌さんらが協力する。

空き家は市内中心部にあり、店舗部分がおよそ134平方メートル、住宅部分がおよそ88平方メートルと十分な広さ。別府社長がおよそ3千万円を投じてリノベーションを施し、屋外のテラス席やカフェスペース、売り場、ギャラリーを設ける。

開店後は、売り上げの1割(下限20万円、上限30万円)を賃料として受け取り、保証金の100万円は9年以上営業を続ければ全額返金を受けられる仕組みだ。初期投資をクリアできれば長く商売を続けやすい。店舗の内外装や機材まで用意するコンペは、まず前例がない。

 

最終選考に3組が残り、その審査員の一人に、依頼された。

丹波市春日町で、かつて伯父叔母夫婦が、「村上ベーカリー」を営んでいた。幼い頃、丹波に来たとき、パンの袋詰めを手伝ったものだ。焼き立てのメロンパンが好物だった。

西脇で染料を扱う竹内商店には、祖母の妹が嫁いでいる。

そんなこんなで、パンや西脇にご縁のあるボクは、ワクワクしながら、最終選考に残った3組の夢を語るプレゼンを聴き、パンの試食をした。プレゼンもパンも甲乙つけがたく、審査に困った。3組とも合格にしたかった。

 

ハッピーサークルプロジェクトでは、今回のオーディションを足がかりに、空き家や遊休店舗を活用した地域活性化に取り組む。

空き家の急増に頭を悩ませていた西脇市も期待を寄せている。