東京ことば磨き塾。
この日、みんなの注目を浴び、みんなからの拍手喝采を受けたのは、
塩野英男さんだ。
英男さんは、寡黙な長距離ドライバー。川越のことば磨き塾に妻の悦子さんに伴われてきたときは、無表情で無口だった。
それがどうだろう。回を重ねるたびに、表情が豊かになり、口数も増えていった。川越から車で来ているのだが、車中は、塾の感想を饒舌に
語っているそうだ。
その英男さんが、人生初の朗読を披露した。
木村まさ子さんが講師で来てくれたとき、「ボクには朗読なんてムリ」と行ったら、木村さんが「きっと出来ますよ」と言ってくれたことがきっかけで、朗読に取り組んでみようと思ったらしい。
その日の天声人語をノートに書き写し、たどたどしいがじんわり人柄が滲み出る朗読だった。自宅での練習中、息継ぎの仕方がわからず、過呼吸になったという。そうまでしてトライしようと思ってくれたことが嬉しい。ことば磨き塾に来ることが楽しくてしかたないようだ。
その塩野英男さんに、みんなで「嬉しいことばのシャワー」をかけた。
●努力家、真面目、誠実、実直、平常心、継続力
●みんなが困っているときのお助けマン
●目元が優しい、目じりに笑い皺がある
●私に子どもを授けてくれた(妻)
(天声人語を書き写したノート)
(塩野夫妻)