熊本余談~長崎から来たチェリスト | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

無茶ブリのムラカミが、また悪い癖を出した。

クラブハウスで知り合った長崎市在住のチェリスト・片田尚孝さんに、

熊本に来て演奏してとお願いをしたのだ。

片田さんは快諾。一面識もないのに、86歳の母を伴い来てくれた。

クラブハウスで彼を「発見」したときも、

インバイトしていきなり演奏してもらった。

無茶ブリに答えてくれる人だという根拠のない自信があるのだ。

 

片田尚孝さんは、1962年、長崎市生まれ。もうすぐ還暦。

17歳の時、チェロと出会った。

松坂慶子さん主演の映画を観に行ったとき、

映画館で上映されていた「予告編」から流れていたチェロの音色が

片田少年の心を捉えたのだ。

それまでレッスンを受けたこともないのに、

いきなり大学のオケに入り、見よう見真似で始めた。

以来、福祉関係の仕事をしながら、演奏を続けてきた。

介護福祉士の資格も持つ。

 

彼と話していると、いわゆる「苦労人」だとわかる。

もちろん、苦労を前面には出さないが、演奏に優しさが滲み出る。

本番前、彼の姿が消えた。

どこに行ったかと思いきや、美術館の広大な庭にいた。

まるで葉祥明の絵の世界に溶け込んだように、白いベンチに腰掛け、

風とコラボしていた。

 

だが、彼はFBにこう述懐していた。

「音がうまく出ない。。こわばっている。

自分に無理な力の入るのがわかる。。

村上兄が到着されて、コラボの打ち合わせをするが身体が反応しない。自分がうまく反応しない。そういうものなのかな。

リハーサルが終わって外を見ると白いベンチ。

その向こうには外輪山と有明海まで見渡せる景色。

夢中に外に出てベンチで演奏を、はじめた。

風が吹く。チェロが響く。そして風が寄り添う。

自分も風のように 遠くまで行ける気がする。

今回の催しの功労者、江越くんがそれを写真に撮ってくれた。

後でみてみると空に龍が浮かんでいる。

青い蜂の季節は終わっていたが、龍に会えた。。

帰ってきてからも身体がほてって、じんわりしている。龍の、効果強し。体温が一度上がった。

演奏はいいものにとまではいかなかったが、

龍に会えて 大きな力をもらった」そうだ。

 

彼は謙遜しているが、片田さんにしか出せない音色が素晴らしかった。「家路」も「鳥の歌」も聴き入った。

ボクの朗読にも、伴奏してくれた。

風と龍とのコラボには及ばないが、初対面とは思えない氣の合ったコラボが出来たと思っている。片田さん、無理を聞いてくれて有難う!

来年、古希と還暦合同祝いコラボしましょう!

 

(確かに龍がいる)

(エンジェルの庭で。

葉山祥鼎さん曰く屋外ステージで波動が高い場所)