ことば一つで寿命が延びる | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

大阪ことば磨き塾(27日)。

今年のよかったニュースを発表してもらった。

●コロナの影響で大好きな舞台のチケットが取りやすかった。

●誕生日に会社の同僚からプレゼントを贈られた。

●今まで想像も出来なかった展開で感動が増えた。

●ステイホームを利用して、アルトサックスの練習が捗った。

●ライブハウス→クラブハウスでギター演奏が出来た。

●毎日、美味しくご飯が食べられることに感謝。

●1年ががりの歯列矯正がまもなく終わる。

●「朗談」を聴いてもらえる機会が増えてきた。

●ワーゲン・ビートルを購入出来た。

●中学の全体同窓会が開催出来た。

●早起きの習慣がついた。

●先日、宮崎旅行に行き、47都道府県、完全制覇。

●大学院に入り、成績もよかった。

●10キロ減量出来た。

●母を心から愛せて、有難うとごめんなさいが伝えられた。

 

中でも、3年ぶりの参加となった出口榮子さんの話は、

みんなの感動を呼んだ。

出口さんは、今年3月、母を見送った。

もう少しで100歳になるところだった。

去年7月、余命1週間と宣告され、コロナで自由に見舞いも叶わぬ中、

せめて自宅で看取ろうと、在宅介護を決断した。

「きょうも元気だね」「美味しいね」「夕陽が綺麗だね」

娘の何気ない温かい言葉かけで、驚くほど回復した。

母も「このごろキレイになったねー」「色白になったねー」と娘に

嬉しいことば掛けをしてくれた。出口さんは「母の褒め殺し」と笑う。

食事も喉を通らなかったのに、ローストビーフまで口にした。

8ケ月間、家族と笑い合いながら、最期の時を過ごし、

天寿を全うされた。肉親の言葉かけで寿命が延びたのだ。

 

その後、出口さんは、母の骨箱を抱いて、

北海道2週間、東北3週間の旅に出かけた。

母が行ったことのない土地をともに旅した。

パラグライダーにも挑み、気持ち良かったとのたまう75歳。

死に方のお手本を母に見せてもらい、年齢を意識しない生き方をしていこうとする出口さん。素晴らしい!

 

(朗談を聞かせてくれた青野佐知子さん。

朗読&漫談を合わせて「朗談」。

自分の創作した話を声色を変えて巧みに語る)