論語の訳文は、あまた出ているが、高橋源一郎さんの訳はイケてる。
原文を相当読み込まないと、超訳、意訳、イケてる訳は出来ない。
魯の国の家老、季康子が「政」について、孔子に尋ねる章句の中で、
「君子の徳は風にして、小人の徳は草なり」というところがある。
その高橋訳は、
「政治家が、社会の害悪を除去しようとしても切りがない。社会の中の善を見つけ育てなければならない。大衆の本質は、『風になびく草』のようなもの。政治家は、善き方向に向かって吹く風にならなきゃ」とわかりやすい。
孔子学園の大秀才の子貢が、先生ほどの方でも、人を憎むことがあるかと問うと、「そりゃああるよ」とワンサカ出てきた。
「悪口を言いふら人、自分を棚にあげて才能ある人をけなす、乱暴で礼儀にかける、やるぞと言いながら逃げ出す…、そういう人は心から軽蔑している」と。その上で、孔子は、子貢にも憎む人間がいるか聞く。
子貢からもワンサカ出てくる。
「人のアイデアをパクって頭のいいふりする、傲慢を勇気と誤解している、人の秘密を世間にさらすことが立派なことだと思っている…そんなやつ大嫌い!」と。これまたわかりやすい。
ところで、論語塾70回中、ほぼ皆勤。途中からは、幹事もお願いしていた柏木満美さんが、お父さんの通院の付き添いのため、卒業を申し出された。
「月に一度の論語の時間は、2500年前からの尊い灯りで今の自分や世の中のことを照らし見直す時間となっていたように思います。有難い時間でした。 つまり論語で言うとこういう事ですね、とはまだ言えませんが、仁や恕の心を耕すことはできたように思います。 これからも折に触れて、論語を開くことを忘れないようにしたいと思っています。 そして、伺える時には塾へも参加させていただきたいと思っています」という挨拶メールが来た。仁や恕の心を耕す場になっていてよかった。
これからは、孔子が言うところの「孝」を尽くしてください。
(柏木満美さんを囲んで)