会いたい人に会いにいく~ことばのスペシャリストに会う | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

ことばのスペシャリスト、

ひきたよしあきさんに、ようやくお目にかかれた。

 

ひきたさんは、博報堂でCMの仕事をしてきた。

スピーチライターという肩書きで、会社の社長や政治家のスピーチを請け負う仕事もしている。

簡潔でわかりやすく、興味や関心を掻き立てることばを生み出すプロフェッショナルだ。

学生時代、NHKの『クイズ面白ゼミナール』でクイズ出題のアシストをしていた。博覧強記の鈴木健二アナウンサーに、ずいぶん鍛えられたらしい。まだネット検索などない時代。NHKの資料室に通い詰めながら、クイズのネタを探し、回答の裏付けをした。その時の「ことば探し」が、その後の仕事に役立っている。

 

ひきたさんの書く文章には、難しいことばはない。

借りてきた言葉はない。自信のない言葉はない。

感情だけの言葉もない。

やさしく深く面白いことばに、いつも感銘を受けている。

聞けば、ひきたさんも、

ボクの紡ぎ出すことばに関心を抱いてくれたそうだ。

ボクの新刊『嬉しいことばが自分を変える』もすぐ読んで、

Amazonにレビューを書いてくれた。

『コロナ禍が長引いて、言葉がついついトゲトゲしくなる。いらいらが混じる。冷たく、鋭利になる。そんな時代だからこそ、読む価値がある。身を守る、相手を責める「武器ことば」。これが村上氏の手にかかると魔法のように、「嬉しいことば」に変わる。どうすれば、こんな言い方を思いつくのだろう・・・と思っているうちにあっとい間に読了。さすが、言葉の達人。自分の言葉が嫌いになり始めた人に、ぜひおすすめ。ことばが、あったかくなります』と賛辞を送ってもらえ、汗顔の至り。でも嬉しくてしかたなかった。

 

そんなわけで、初対面感もなく、ことば談義に花が咲いた。

「ことばの力」が急速に衰えていることを痛感している認識で一致し、

「ことばの力」を信じることの出来る瀬戸際で、2人で何かコラボを企てようと、これまた意見の一致をみた。

多くの「ことば」を交わさなくても、わかり合えるのが、ことばのスペシャリストたるゆえんだ。

 

(2人を引き合わせてくれた上野さやかさんを囲んで)