「エール」の意味あるセリフ | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

朝ドラ『エール!』。

今週のテーマは、不協和音。

太平洋戦争の戦時下、その影響は様々なところに及び、

不協和音が高まっていく。

考え方の違いから、家族の中にも分断が起きる。

コロナの「いま」に重なる。

ドラマ収録中断は2ケ月半に及んだが、

その間に台本の書き直しが行われたという。

台本は、コロナ禍のいまを意識したものになっている。

今週のセリフには、それを感じた。

 

妹・音「なんでもかんでも統制されて不自由な世の中ね」

姉・吟「お国を批判する人は裁かれても仕方ない。いまは国民一丸となって、お国のために戦わなきゃいけないの!」

妹・梅「文学も芸術も死ぬことになる。表現の自由が侵されていいものではない」

妹・音「人が心で思うことは止められない。一致団結とか一丸というけど、人はみんなそれぞれ違う考えがあって当たり前」

音「みんなが同じ考えで、そうじゃない人はいらない世の中はいや。もちろん私も自分の国は好き。何よりもまず、家族や友だち、周りの人に幸せでいてほしい。それって自分勝手なことなのかしら」

裕一「こうなった以上、この国に生きる人間として出来ることをやっていくしかないんじゃないかな」

喫茶店のマスター・保「ふだん隠していた感情が露わになる。これも戦争か」

 

「戦争」ということばを「コロナ」に置き換えたら、

いま置かれている状況と変わらない。