NHK京都文化センターの講座「ことばの取扱説明書」第6講。
非常時、隔離、撃退、自粛…気が滅入ることばが飛び交う。
中でも、「不要不急の外出を控える」といわれると、
外出が罪のように思えてくる。
不要とは何か、不急とは何か、みんなで考えてみた。
必要でないこと、急ぎでないこと。
生活するために生きていくために「不要」なことなどない。
ただ、趣味や花見などは、何が何でも急いですることでもない。
だから「不要」と「不急」を同時に並列にしないほうがいいのではないか。「不要不急」と言われても抽象的でわかりにくい。そのくせ、責め立てられているような気になる。
「お急ぎでないことは控えましょう」
「日常生活に関わらないことは控えましょう」
「時間があるときに出来ることは、先延ばししましょう」
こんなふうに言われたら、促されている感がある。
嬉しくない表現には、烙印を押され、レッテルを貼られているような感覚がある。
引き続き、嬉しくないことばを嬉しいことばに変換するワークをした。
●(上司に)それ、おまえの仕事だろ!→引き続き、責任を持ってやり遂げてくれたまえ
●(生徒に)でぶ!→ふくよか
●(家族に)結論を先に言って!→いろいろ説明してくれて助かる
●(年下から)ご苦労さん→有難うございました
●(上司に)いつまでやっているんだ!→一緒に手伝おうか!
●(妻に)少しくらい手伝ったらどう?→一緒にやると早く終わるよ。
ことばの取扱いに配慮しないと、相手を攻撃する刃になってしまう。
多くの人を操作するプロパガンダになってしまう。