「麒麟がくる」スタート | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

NHK大河ドラマ『麒麟がくる』が始まった。

時代劇大河の王道が戻ってきた感じだ。

出演者を紹介する字幕スーパーも往年の大河を彷彿とさせる。

初回視聴率も19・1%と、上々の滑り出しだった。

 

今回は、1540~60年代が中心。

従来の大河が取り上げなかった時代だ。

三英傑の時代ではない揺籃期。いわば戦国ビギニングの時代だ。

タイトルの「麒麟」は、

古代中国で、仁ある政治がなされたときに現れるという霊獣だ。

本能寺から逆算しない光秀を描く。

光秀を演じる長谷川博己さんは、「知性と品性で突き進む人」だと分析している。忖度出来ない人。ゆえに本能寺があるのかもしれない。

脚本家の池端俊策さんは、主演の長谷川さんを「繊細で誠実で優しいが、どこかに狂気が潜んでいる」と評している。そこが光秀にも通じる。

 

昨夜の第一回。

しゃにむに向こう見ずに突き進む光秀が、よく出ていた。

カラフルで大胆なデザインの衣装も目を引いた。

登場人物ごとに、それぞれの性格を示したテーマカラーがあるようだ。

戦国時代は、決してくすんではいなかったようだ。見慣れてくれば、人物カラーも、すみ分けが出来ていいかもしれない。

光秀の前半生は、ほとんどわかっていない。

創作のしがいもあろうというもの。

いま巷間伝えられている「逆臣」「謀反人」のイメージは、秀吉が喧伝したものと考えられる。歴史の表舞台から消えた人に光を当てれば、歴史の真実が見えてくるように思う。

 

(光秀の菩提寺 西教寺に詣でる長谷川博己さん)