胎内記憶の第一人者、池川明さんの講演を聴いてきた。
奇しくも11月30日。
1年前の同じ日、トークライブのゲストにお招きした日だ。
さほど広くない会場には、お母さんが赤ちゃんと一緒に参加していた。
赤ちゃんの泣き声すら、池川さんの講演会では心地よいBGMとなる。
池川さんの穏やかな語り口が、これまた「癒しのボイス」なのだ。
嬉し気に楽し気に話す声が、すぅーと心に染み入る。
傍らに腰かけ、寄り添いながら話してもらっている気になる。
池川さんの中には、すべてのことを面白がれる少年の魂が健在だ。
胎内記憶は、かなり浸透してきたといっても、まだまだ理解されていない。誤解も批判も受けている。
最近も一部報道の影響で、自分が関与しているシンポジウムへの出演が見送りになった。メディアリテラシーの問題だと言いながら、声高な批判はしない。ニコニコ笑いながら「人ってネガティブなことは無条件に信じてしまうんですよね。幸せなことはなかなか信じがたいんですよねー」と、どこまでもおおらかだ。
子どもは、親を笑顔にするために生まれてくる。
いつもいいお母さんでいる必要はない。
ましてや完璧なお母さんでいることもない。
子どもに笑顔にさせてもらう喜びを味わうだけでいい。
子どもを育てようなどと力まず、育ててもらう気でいればいいのだ。
子どもがお母さんを選んで生まれてきてくれた奇跡的な縁で結ばれているのだから、この縁を大切にしない手はない。
子どもは愛を伝えるために、人の役に立つために生まれてきている。
子どものぐずり声、泣き声だけにオロオロせず、
子どもの「未来」を思い浮かべたらいいと思う。
「生まれてきてくれて有難う」。それ以外の何が必要だろうか。
池川さんの声で穏やかな気持ちになりながら、そんなことを考えた。
(2018年11月30日 トークライブの写真)