おとうさんの他己紹介~U25ことば磨き塾篇 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

若い人たちは、おとうさんをどう語るのか。

U25ことば磨き塾(5月29日)の他己紹介のテーマも

「おとうさん」にした。

 
「イメージ上のおとうさん」&「やさしいおとうさん」
小野尾健太くんが、2ケ月ぶりに来てくれた。
前々回、自ら発達障害と言いながら、
1時間半で見事な変化を見せた青年。
この前とは、表情が全然違う。視線も定まり、明るくなっていた。
ただ、本人は、まだその変化に気づいていないようだが・・・。
小野尾くんの紹介は、幹事役の小室さんがすることになった。
「小2の時、離婚したのでイメージ上のおとうさんということになる。
メールでのやりとりはしている。メールが来たらすぐ返信する。電話がかかってくるのが嫌だから」と、彼の複雑な胸のうちも紹介してくれた。
小野尾くんは、ためらいながらも口を開いた。「ひなという名前は、おとうさんがつけてくれたらしい。家族旅行に行く話を聞いて、うらやましいと思った」聴いたことをメモしていなかったので忘れたと言いながらの紹介。そこで、小室さんがフォロー。「本当はひめと名付けたかったらしい。ブランド服の着せ替え人形みたいで恥ずかしかったけど、自分はかわいがってもらったから、小野尾くんとは対照的」
ボクは、小野尾くんが、みんなの前で「うらやましい」と言えたことを絶賛した。自分の境遇を卑下せず、正直に「うらやましい」と言えたことが、何より彼の中の変化を示すものだろう。
 
「なんでも言えるおとうさん」&「几帳面なおとうさん」
初参加の小林くんと、久しぶり参加の堀田くんがコンビを組んだ。
「小林くんは、バドミントンをしているが、そのアドバイスをおとうさんに聞くと、ズバリ教えてもらえる。境界線がなく、なんでも言える」
「堀田くんのおとうさんは、字もキレイ、学問も好き、1つのことに熱中出来る人。ちょっと心配性なところがある」
小林くんの感想「悪口言ったつもりが変換してもらった」
相手を紹介しながら、自分のことも見えてくるのが他己紹介。
自分の捉え方がすべてでないことにも気づける。
真逆に見えても、知らず知らずのうちに共通点を探している。
 
「旦那さんにしたいおとうさん」「大黒柱のようなおとうさん」
美容コンサルの会社に就職が内定し、茶髪で現れた日川くんと、
久しぶりの堀内さんが、コンビを組んだ。
「堀内家は女系家族。3姉妹に、親戚も女性が多い。犬までメス。
その人その人にあった接し方をしてくれるおとうさん、ボクの旦那さんにしたいくらい」
「日川くんのおとうさんは、何でも知っていて、深く追求している。大学に行かず、喫茶店の経営をしている。いまも韓国語を学んでいる」
髪の毛の色が違うから、堀内さんは初対面だと思っていたらしい。
 
他己紹介は、知り得た情報のどこをピックアップするか、それをどうまとめるかが問われる。主観的見方を客観的見方に変えることが出来る。独断的ではなく独創的なコメントの修練にもなる。

 

(日川くん&堀内さん)

(小野尾くん&小室さん)

(小林くん&堀田くん)

(右はサポーターの大石浩晶さん)