高野登はスゴイ!~鎌倉百年塾 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

鎌倉百年塾に参加してきた(22日)。

高野登兄さんを、改めて尊敬した。

一足早く、今月9日に65歳になった高野さんを、

きょうは、「お兄ちゃん」と呼びたい心境だ。

なんといえばいいのか・・・培われた「暗黙知」を目の当たりにして、

とにかくスゴイ人だと感服した。

危機管理能力が半端ではない。

リッツカールトン時代、何度も何度も修羅場を乗り越えては来ているだろうが、それにしてもだ。

危機管理とは、そもそも「危機」だと思わせてはならない。

「危機」だと感じさせずに処理するのがいちばん。

孫子の兵法にある「戦略」。まさに戦いを略す。

戦わずして勝つ極意をお持ちだ。

表情にも口調にも何も感じさせず、

ソフトな語り口で「危機」を消していく。

知らず知らずのうちに「危うき人」も「佳き人」に変わっていく。

これぞ、ホスピタリティ。

 

鎌倉百年塾の今年のテーマは、「人との繋がりが地域を活かす」。

高野塾長のプレゼンは、江戸しぐさとホスピタリティがテーマ。

以下は、高野塾の優等生、箕輪由紀子さんのリポートをもとにして

プレゼンを紹介する。


江戸しぐさの大家、越川禮子先生から学んでいて、

ザ・リッツ・カールトンでしてきたことに間違いはなかったと思う。
江戸しぐさのキーワードの一つが「共生する社会を作る」。

この反対は「共倒れ」になる。

これは現代のビジネス社会でも同じで、

「支え合って成長する組織」に対して

「誘い合って諦める組織」がある。


自分の存在は、他人にとっては環境そのものである。

環境整備、つまり自分の心の中を整備しないといけない。
江戸しぐさは、自分を定義するためのものである。
江戸前とは、魚も鳥も何もかも全てみんなのものであり、

「関わる全ての人が幸せになるために働く」ザ・リッツ・カールトンと共通するものがある。

 

戸しぐさでは最初に自己紹介をしない。

その人を見抜く力を身につける必要がある。

ザ・リッツ・カールトンも最初に名刺交換をしない。

最後に、今後連絡を取りたいと思ったら名刺交換をする。
新しいことにワクワクするのが江戸人。

共感、共鳴しないのは人として認められなかった。


お心肥(おしんこやし)とは、心を豊かにすること。

何を使って自分の心を豊かにするのかを考えると、

それは「ことば」だ。ザ・リッツ・カールトンでは、丁寧過ぎず、どこまで相手に寄り添えるかを考えている。
相手の心の中のミットの位置を確かめる。そこに入ることばを投げかけないと、相手に届かない。相手があなたの望むような行動を取るまでは、伝える方の責任である。
江戸しぐさでは、年齢、年代により話しかけることばが違う。
楽ではないけど楽しい。相手が自分に厳しいことばをぶつけてきたら原因は自分にあるのではないかと、考える。良い行動を取るために良いことばを使う。そのためにはことばを磨く。

初対面の人に「はじめまして」とは言わず、「いつぞやは先祖が世話になりまして」と言った。いのちの連鎖がわかっていた。
余計なことは言わない、わかっていることは言わない。相手にとって快適な行動をとる。汗をかいている人に「汗をかいてますね」とは言わず、冷たいおしぼりを差し出す。

 
人の成長過程を、
上品(じょうぼん)、中品(ちゅうぼん)、下品(げぼん)と言い表す。
上品の域に達するのは、至難の業だが、誰と出会い、何を読み、自分の環境をどう整備するかにかかっている。
高野さんは、すでに上品の人だ。
兄さんの足下に及ぶよう精進せねばなるまいと思いを新たにした。
 
実は、11月7日、鎌倉百年塾講師に呼ばれている。
それまでに、少しでも磨きをかけなきゃ。

 

              (登兄さんと)

(鎌倉百年塾塾頭 倉内正巳さん)

 

(材木座海岸が見渡せる会場)

(ハワイかと錯覚する材木座海岸の夕景)