熊本県天草にある天草学園が創立50周年を迎えた。
天草のホテル「アレグリアガーデンズ天草」で開催された
記念式典、記念公演に招かれた(7月23日)。
天草学園は、居場所のない子どもたちの居場所だ。
家庭内暴力、虐待、育児放棄など、
様々な理由で親子の関係を結べない子どもたちが、過ごしている。
彼らには、少なからず発達障害がある。
障害という言い方は、好きではない。
親子関係の余波が、
彼らの自己表現に影響を与えると言ったほうがいいかもしれない。
突然奇声をあげたり、うつろな目をして心を閉ざしたり・・・
だが、彼らの「眠っている感性」はすごい。
一つのことに取り組む集中力はすごい。
オープニングの「天龍太鼓」の迫力には、耳を奪われた。
学園唯一のクラブ活動で30年ほどの歴史があるそうだ。
長年、学園に協力してくれた人への感謝状も手作りだった。
紙漉きから始め、文字入れ、イラスト、額作り・・・
心をこめて製作した「世界に一つしかない感謝状」に、
受賞した人たちも感激した面持ちだった。
学園生たちによるダンスも披露された。
晴れ舞台に緊張して、いささか不揃いではあったが、それもご愛敬。
出席者100人の万雷の拍手を受けていた。
記念公演では、「一流」のもの「本物」を見せたいという田中美穂園長の希望を受けて、オペラ歌手の天羽明惠さんが、アリアや歌曲を披露した。ピアノの子安ゆかりさんは、シューマンやシューベルトの曲を演奏した。ムラカミは、BGMを流しながら「森のいのち」を朗読。さらに天草出身の小山薫堂さん作の「パチパチのほし」を朗読した。
式典後、天草学園を訪問したら、背後から「村上さん!」と声をかけられた。振り向くと、去年「久しぶりですね」言ってくれた少年だった。
「絵本よかったです」「ありがとう。2冊読んだけど、どっちがよかった?」「両方よかったです」と笑顔で嬉しいことを言ってくれた。
彼は、学園に「嵐」が来てくれることを夢見てる。
「嵐」には及ぶべくもないが、来年も「久しぶり」を言い合いたい。