江戸家小猫さんは、動物物真似の五代目だ。
20代、ネフローゼに苦しんだ。床上げ出来ない時期もあった。
社会復帰も危ぶまれた。
しかし、奇跡的に、後継ぎの名乗りを上げることが叶った。
床の中で、密かに練習していたお家芸の「ウグイス」を、
四代目猫八の父に聞いてもらった。
父は嬉しそうだった。そして舞台に一緒に出てみるかと誘ってくれた。
群馬県法師温泉に、親子並んで浸かりながら・・・。
それから7年。親子でよく舞台に立った。親子で旅に出た。
子は、動物園巡りをして、腕を磨いた。
父から吸収することは、山ほどあった。
父が米寿の年、子は還暦になる。
そのとき、父は江戸家八十八を名乗り、子は五代目猫八を名乗るのが夢だった。
だが、父は、今年3月、急逝した。
小猫さんは、突如、つっかえ棒を失くした。
いま、江戸家の暖簾を守るため、孤軍奮闘している。
次回の恵比寿でのトークライブは、その小猫さんをゲストに迎える。
お父さんとの思い出話や江戸家の歴史話、
動物園行脚で得た小猫さんのオリジナル芸、
ピアノやヴァイオリンとのコラボもある。
小猫さんは、昭和52年生まれ。ボクがNHKに入った年だ。
ことし39歳。
父を見送った辛さ寂しさもあろうに、取り乱さない。
江戸家の看板を背負うプレッシャーもあろうに、それを感じさせない。
どんな話にも沈着冷静に対応し、わきまえを心得ている。
もっと、わからずやのところがあってもいいのにと思う。
そのことを指摘すると、「わかっているんですよね」と、またまたわきまえている。
この「わきまえ」をどう崩すかが、今度のトークライブの課題だ。
その攻略の糸口は見つかった気はするが、当日までヒミツ。
トークライブは、9月18日(日)19:30~
恵比寿にあるアートカフェフレンズで。
申し込みは、03-6382-9050へ。