誰しも、くすぶっていた時期があるはずだ。
辞書によると、
①火が勢いよく燃えず、煙ばかりが出る状態。
②ひきこもって陰気に暮らす
③行動がぱっとせず、発展的でない。
要するに、自分が見いだせず、すっきりせず、
もやもやしている状況は、あまり芳しいものではない。
と思いきや、齋藤孝先生は、
「不完全燃焼中こそ、人間を大きく羽ばたかせる可能性がある」と
彼は、くすぶりを肯定する。くすぶりは、人生を推進させる原動力だという。
「精神の石油エネルギー」を蓄積するチャンスだという。
著書『くすぶる力』では、
齋藤さんの豊富な教養の引き出しから、
くすぶりを人生の糧とした先人たちの実例がひも説かれる。
ご自身も、くすぶり歴は長かった。
経験に基づく話だから説得力がある。
齋藤さんは、くすぶり感覚を意識化しようと提案する。
意識し自覚すれば、人生の転機がつかめる。
くすぶりに後悔はいらない。むしろ、メンタルを鍛えるチャンスだ。
くすぶっている時に、自分自身に疑いは持たないことだ。
否定したくなった時は修正すればいいのだ。どんなときも、自分は肯定する。
いつも順風満帆、やることなすこと全てうまく行く人なんていない。
くすぶることは、人生の有意義な通り道。
くすぶりをも楽しめたら、そのうち、燃え上がることだろう。