本人たちも、「じゃがいも兄弟」と呼び合っている。
確かに顔の構造が似ている。
ただし、年齢的に弟のほうが、兄に見える。
しかも弟は兄に対して
「狂暴で優しく低能で知的」とわけのわからない例えで失礼なもの言いをする。
この例えは、当たらずとも遠からず、
坂田明のサックスを一度聴くと、うなづく人も出てくるはずだ。
演奏は、ひとくくりなどに出来るものではない。融通無碍なのだ。
ミジンコ観察に余念がない。ミジンコ歴は30年。
このたび『ミジンコ大全』という本まで出したが、
ご本人は、研究者とは呼ばせない。ミジンコ勉強家を名乗る。
透明な身体のミジンコは「いのちが透けて見える」と言う。
人間の都合で、ほかの生き物を見てはならないと教えてくれる。
真面目な語り口を、不思議なおかしみが包んでいる。
話している最中に、いたずらを思いついたような少年の眼差しで
見つめられると吹き出しそうになる。
文化放送『日曜はがんばらない』にご出演いただいた。
兄弟は、久しぶりに会ったようだ。
坂田さんは、特別サービスで「ひまわり」を生演奏してくれた。
むせび泣くサックスにもらい泣きする。
17日10:00~の放送、乞うご期待。