大徳寺で子ども論語塾 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

京都・大徳寺は、うっすら雪化粧していた。
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大徳寺の塔頭のひとつ龍光院で、月に一回開かれている子ども論語塾を見学してきた。

龍光院は、来年の大河ドラマの主人公、戦国時代の軍師・黒田官兵衛ゆかりの寺だ。


論語塾講師は、もちろんラジオビタミンのレギュラーだった安岡定子さん。

塾の名は『寸松塾』~一寸は3センチほどだが、

小さな松が大きく成長するという思いを込めた意味だそうだ。

塾生は、小さな小さな子どもたち。母親に抱かれた0歳児から小学校6年生くらいまで。

子どもたちは、お行儀よくしていない。

きちんと正座しているのかと思いきや、あっちにウロウロ、こっちにウロウロ。

安岡先生が話している最中にもかかわらず、おしゃべりしている子もいる。

だが、安岡先生は、注意するどころか野放し状態だ。むしろその状況を楽しんでいる。

素読の前に、クリスマスプレゼントやお年玉のことを質問して、子どもの気を自然に引きつける。

四季のことや伝統行事のことを巧みに織り込む。

雰囲気作りがうまい。ムード作りがうまい。温め方がうまい。

子どもたちは、集中していないように見えて、安岡先生の話に耳を傾けている。

ふつうは、自分のペースを乱されるのが嫌で、子どもに注意を与えてしまう。

なかなか真似が出来ないことだ。見事なお手並みに、感服した。


そして、素読が始まると、見事に子どもたちの背筋がピンと伸びた。

習慣とは、こういうものだと実感した。

声を一にして、唱和するのを聞いているのは、心地よいものがある。

暗唱している子もいる。意味がわからなくてもいいのだ。

声に出すことによって「意識」することが出来る。

身体を通ったことばは、身につき忘れない。

お寺での論語塾、まさに寺小屋。

ここで学んだ小さな松が、大きな松となり、日本を支えてくれることだろう。



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子ども論語塾の様子(安岡活学塾HPより)