十勝から②十勝で志功さんに会う | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

帯広市立美術館で、たまたま棟方志功展をやっていた。何かの縁と思い、観覧に行った。
一心不乱な志功にひかれて青森や鎌倉に足跡を訪ねたこともある。戦後、富山県福光町に疎開していた志功を番組にしたこともある。チヤ夫人にお会いしたこともある。河合寛次郎に認められ、『すごいぞ!青年!』と自らを鼓舞した無邪気さも好きだ。
帯広での展示会は、中学生たちの社会見学と重なった。熱心にメモを取りながら作品に見いる彼らに志功の情熱の一端が伝わればいいなと思った。
知ってるようで知らない志功の世界。今回も発見があった。志功は青森にいた10代の後半、舞台公演や朗読会を開いていたという。彼の作品には詩や短歌も数多く登場する。絵より言葉の比重の大きい作品もある。志功は、詩を大声で読みながら板木に向かったという。口に出すことで音韻や旋律も含め言霊と向き合ったのだろう。そんな志功が、ますます好きになった。