おはようございます太陽太陽太陽
ここ数日、何だか落ち着かない日々を過ごしていましたが。
昨日福岡の父の病院から連絡がありまして…。
父の容態が落ち着いたそうです。
心配していた熱が下がり、酸素濃度なども落ち着いたとのこと。
とりあえずほっとしました。
23日に、かなりムリをして会いにいって本当に本当によかったです。
やっぱり、父が大好きです。

さて。
日常生活に戻ることに決め、12月24日に
劇団四季「ひばり」初日を、観てきました。

満員御礼でしたクリスマスツリークリスマスツリークリスマスツリー

初日キャスト。

さらにアップ❗

うん、凄かったです、この作品。
以前この作品をやった頃は、私は幼児である息子の子育てにめちゃくちゃ忙しかった時期ですから、未見でした。
四季の役者さんのがっつりしたストプレを観るのも初めてでした。
うん、すごくいい。とてもいい。大満足です。
本当に、デ●ズニーばかりじゃなく、もっともっと骨太で重厚、言葉の力で2時間半戦いきる
芝居が観られる作品を、四季の経営陣には勇気をもって上演して欲しいと改めて思いました。役者さんだって…絶対やりたいんだと思いますよ。
私は普段、東宝やホリプロの作品をたくさん観るので、どうしても四季の母音法は耳が馴染めず、ミュージカルで聴くと何だか感情が乗ってなく重々しく感じてしまうことも時にはあるんです。台詞が、固いなって。
(もちろん、芝居の力でそれを感じさせない役者さんもたくさんいらっしゃいます。私が応援している四季の役者さんたちは、そういう雰囲気を感じない方ばかりです)
でも、今回ストプレを観て改めて、この作品では母音法のよさがばっちり出ていました。ストプレなので、何せ膨大な台詞量。ジャンヌの五所さんとコーションの道口さんの台詞量はとんでもないと思うのですが…。私は2階の後方席から観ていましたが、言葉のひとつひとつに感情が乗ってしっかり届き、早口になっても全く揺らぎませんでした。すごい。こういう四季を待ってたよという感じです、本当に。
初見の私がこの作品から感じた魅力をあれこれ語ります。往年の四季ファンの方には「何を今さらわけわからんことを言ってるんだコイツ」と、思われるかもしれませんがご容赦くださいね。

①ストーリーの作り方。
うん、とっても演劇的な作りですね。
面白い。
ジャンヌダルクの宗教裁判を他の出演者たちが傍聴している感じで、ジャンヌの生きざまが進行していきます。みんな、あんまりはけない。
役者さんはがっつり自分の台詞があるシーン以外は、他の登場人物とジャンヌとの絡みを見守る感じです。(つまりジャンヌはずっと台詞が続くということですね。)
ジャンヌの火刑がクライマックスではなくて、時空を戻し、ラストシーンにランスのシャルル7世の戴冠式を持ってきているのも効果的。
ジャンヌの信念が果たされなかった無念の死として作品を終わらせるのではなくて、主人公が一番輝いていた刹那に戻してストーリーを締めくくることで、人の信念は何と美しいのか…。気高いのか…。
ジャンヌは決して悲劇のヒロインではなく、等身大の女の子。私たち観客の中にも、悩み傷つきながらも立ち向かう勇気とか…。それはうまくいかないかもしれないし、失敗するかもしれない。だけど、そういうものがどこかにある、大切にしたいな、という思いで帰路につくことができますよね。ハッピーエンドでも、バッドエンドでもない。余韻にひたりつつ、考えつつの帰路。こういうの、好きだわ。


②五所真理子さん。
まずはシングルキャストであの役の初日を演じきられたこと、敬意を表したいと思います。素晴らしかったです。凄まじい台詞量。圧巻です。
ジャンヌは本当にどこにでもいる等身大の女の子。でも、神のお告げが彼女を導き、守っていたのだけれど。五所さんの無邪気な表情、素敵。
イギリスにとらえられ、牢獄に入れられ、神の声は聞こえず、やはり火刑は怖い。裁判長コーションの巧みな尋問に、信念を曲げたことも。
でも、やっぱり自分の信念を取り戻すのは…。神のお告げだから、とかそういうこと以上に、ジャンヌという人が、人として自分がどうありたいかという意志をはっきりと貫き通した結果なのだと思います。(私が現代人だからそう見るのかもしれませんけど)五所さんの一筋の涙…とっても美しかったです。
だからこそ、輝かしい戴冠式のラストシーンが…彼女の信念の浄化のように思えて…心を打ちました。

③道口端之さん。
宗教裁判の裁判長コーション。この人の台詞量もえげつない。
ジャンヌを服従させようと手練手管でやり込めます。重厚でとっても見ごたえがありました。
ジャンヌにスカートをはいて女装に戻り、教会に従えと迫ります。火刑の恐ろしさを訴え、信念を変えようとさせますが…。ジャンヌをやり込めることで…自分や教会の権力を保持することはもちろんですが、ジャンヌの助命の中に何だか男としての下心❔が見えて…(私はそう見えた)そのやるせなさとかも、なんとも言えなかったです。うまいな~。

④味方隆司さん。
いぶし銀の魅力が溢れていました。
凄いです。
大審問官。満を持した感じで尋問を始め、どんどんジャンヌを追い詰めますが、ジャンヌも怯みません。
そうね…将棋で言うと飛車みたいな感じかな。
うーん、東宝ホリプロ作品でいうところの、石川禅さんみたいな感じね←伝わります❔

⑤阿久津陽一郎さん。
ウォーリック伯。イギリス人。
冒頭、キャストが着座したあとにいちばん最後に登場して、物語が始まります。言うなればストーリーテラー、という役どころ。
皮肉めいた飄々とした語り口。一歩離れたところからこの物語を観ている、「俺は別に」的な雰囲気。陽気なジーニーとは全然違う阿久津さん、こういう一面を見られて嬉しかったです。


そして…私がとっても好きだったのは。
⑥田邊真也さん❗
シャルル7世👑
うーん、うまいな…。
思わず唸りました。
自分の信念なんて何もない。虚位で無意味な宮廷生活。血統でも正統性が保証されておらず、即位できるかもわからない王太子。王妃、姑、愛妾、近臣、誰に対してもしっかりとした自分が保てずのらりくらりとした毎日。無駄に金ぴかな金色のタイツ、思い出したように、たまにやる
けん玉。
彼の持つどうしようもない虚無感を感じさせてくれました。田邊さんの表情がいいですね。やる気ゼロ。ロボ庭が素敵だった、優しいベンはどこへいってしまったのかしら。
ジャンヌと出会い、無邪気な子供のような表情を取り戻します。1幕ラスト付近のジャンヌとのやり取りは、希望を感じさせますが。
2幕では、手のひらを返したようにジャンヌの助命に手をかしません。ちょっととぼけたような田邊さんの台詞まわし。余計に観客をイライラさせます。
ラストの戴冠式。彼の即位の持つ意味…ジャンヌの生きざまを晴れやかに締めくくる大切な役目です。ジャンヌの人生は終わってしまうけれど、史実のシャルル7世はジャンヌ亡きあとにフランスの復権を果たして、百年戦争を終結させるのですよね。百年戦争で荒廃した国内の復興に励み、財政の再建、官僚機構の整備、王国常備軍の創設などを行い、フランスの国難を立て直した王でもあります。ジャンヌを見捨てた王として評判は良くないようですが、彼もやはり「ジャンヌ・ダルク」と離れたことで、虚無感しかなかった暮らしから自分の力でしっかり立ったということ。
そういう意味でも、この作品が戴冠式で終わるのはもう一つの伏線を感じる作りに私には感じられて、ますます、うーーん、と唸りました。

野村玲子さんの降板
上演時間の変更
そして続々と公式サイトに戻るチケット

いろいろな憶測をしてしまいますが
役者さんの熱量
素晴らしかったです❗
これからご覧になる方、お楽しみにお待ちくださいね。
私も追いチケ欲がムクムク沸いてきましたが、落ち着いたとはいえ父の容態のこともありますから、新たに追いチケはやめてご覧になった方のレポを待ちたいと思います。

今日はこれから少し出勤したあと
ベートーヴェン❗
に、向かいます。
これで本当に今年の観劇納めです。
それでは、行ってきますバイバイバイバイバイバイ