ここまで事件概要を載せながら随所に私見を挟んでまいりましたが
改めてまとめたいと思います。
【犯人について】
犯人像といっても血液型、性別、似顔絵、年齢などは大体公開されていますのでもう少し広い範囲での私見です。
恐らく県警は怨恨の線で捜査を進めたと思われますが、友人・知人関係を当たっても浮き上がってこなかったところをみると捜査ミスを除けば可能性は3つに絞られると思います。
①被害者と犯人は一切面識がない
②被害者と犯人で1対1での関係性
③犯人の関係者と被害者の面識がある
①の場合は、強盗や快楽殺人といった通り魔的殺人を含めたものになりますが、被害者宅には荒らされた形跡や盗まれたものが無いのはもちろん、被害者をいたぶるような殺害方法でないことから可能性として低いと思われます。もちろん、ゼロというわけではないでしょうが・・・
②は被害者と犯人の関係を第三者で知っている者がおらず、当然共通の知人もいないパターンです。
関係性としては薄い付き合いで、公園で会って話す程度といったところでしょうか。
③は間接的に被害者と犯人が繋がっているケースです。依頼殺人なんかもここに含まれると思います。
ここで気になるのが殺害状況です。
死因は右頸動脈切断による失血死となっています。
傷の状況は首の前部に複数の刺し傷、手に防御創。左前額部(左側のおでこ)に固いもので殴られたようなコブ
左前額部のコブは正面から向かいあって包丁の柄の部分で殴ったと思われますので、玄関で対峙した一撃目でしょう。
(当初、左手を怪我していることからも左利きで血が滑って自傷したかと思っていましたが、左手で左の前額部を殴りつけるのは不自然ですので右利きかもしれませんね)
首の前部に複数の刺し傷というところからも背後から羽交い締めにして刺したのではないでしょうか。
その際に、自らの左手を刺してしまうことはありえます。
そして首を複数回刺していることからも、怨恨の線が強いのかなと感じます。
犯罪深層心理で顔面や首を狙った犯行は強い恨みが伴うそうです。
ちなみに腹部のみは直接的な恨みによる殺意が薄い場合、例えば快楽殺人や一時的にカッとなってというケースは腹部が多いようです。このケースの場合、顔面への刃物傷は無かったとはいえ、額への打撃があったためどちらとも判断できません。
ただし、どこか憎しみをぶつけながら殺害しているように見えます。
③のような依頼殺人では基本的に犯人の強い感情が伴わないため確実に仕留められる心臓を狙うでしょうし、最初に殴りつけず、いきなり刺すのではないでしょうか。防御創があることからも1撃目で致命傷を負わせなかったため、激しい抵抗にあって苦戦しています。
犯人と被害者は大きな体格差はないですし、被害者は犯人に比べて若いため犯人からすれば逆に返り討ちに合う可能性もなくはないです。そういったリスクを背負ってでもこのような手法で犯行におよぶのは「強い恨み」がないと難しいのではないでしょうか。
やはり②で挙げたように、そこまで深い関係性ではなく、会えば話す程度の関係で、事件より前に稲生町あたりに住んでいた。または頻繁に訪れていたと思われます。
被害者に悪気はなくとも犯人の逆鱗に触れるようなことを言ってしまったということも考えられます。
被害者の奈美子さんの人格についてはもちろん分かりませんので憶測で語るのはやめます。
ただ、事件から18年たった今も同級生が集まり情報提供を呼びかけていることから分かるように友人から慕われており、恨まれて殺害されるような方ではないと思っていますが、私を含めて人間というのは裏の顔、表の顔というものがありますからいつどこで人の恨みを買ってしまうかなんてことは分かりません。
もちろん犯人は普通ではありませんから、そういう人は何がきっかけになるかわからないのです。
【逃走について】
犯行時刻と思われる12時過ぎは偶然ではなく、ある程度狙ってのものでしょう。
理由として単純に、昼食をとるため在宅だろうと予想したのかもしれません。
土曜に主人が居ないことを把握済みなのはもちろん、外出や帰宅するタイミングを見張っていたとも考えられます。
ただし、住宅街ですのでアパートを見張っている不審な人物がいたら住民が見かけているはずですが
・・・・ん?当日午前中アパートの前に不審な若い男性が居たという記事があったような。。
逃走ルートを見るとあらかじめ計画していたことが何となく分かります。
初見の道で人目を見事に避けながら目的地に進むのはこの道では至難の業です。
初めて来た場所で、あれほど入り組んでいれば一度来た道を戻ったり立ち止まったりウロウロしたりという痕跡が残るはずですが、迷わず進んでいるようです。さらに思惑通り、あれほどの住宅街で誰とも遭遇しなかったわけです。
そして稲生公園脇まで続く血痕となっていますが、やはり当初の報道の通り、北区の福徳まで続いていたのでしょう。
そこで血痕が途絶えたのも周辺にあらかじめ停車しておいた車に乗り込んだためと思われます
(記事にあった白い軽自動車かどうかは不明)
500M以上続いた血痕が急に途絶え、警察犬も追えなくなるというのはそれくらいしか考えられません。
共犯者に車で拾ってもらったという線も考えられるのですが、それにしては現場から離れすぎています。
徒歩で途中で見られるリスクのほうが大きいです。
当日トラブルがあり一度帰宅して凶器を持って再び訪れたとすると車でも1時間圏内でしょう。
名古屋市内をはじめ西三河、尾張あたりでしょうか。
それ以上遠隔地へ負傷した状態で戻るのは中々難しいと思います。
いずれにしても地元で話題になった事件ですから周辺に住んでいたとすれば聞き込みでカバーできるでしょうし、慌てて引っ越せば疑いの目が向けられるでしょう。車を使用してやや遠くから来た線が強いように感じます。
【解決に向けて】
遺留品(ミルミル・靴跡)や目撃情報、似顔絵、逃走ルート、さらには犯人のDNA、左手の傷跡
これだけ揃っている未解決殺人事件は他にないと思います。
あの世田谷一家殺害事件も遺留品が多いとされていますが、目撃証言が一致している点などを考えるとそれ以上かと思います。しかしながら迷宮入りしている現実を考えると、厳しい状況なのかなと感じます。
※ちなみにこの事件のみならずこちらの●●県警の能力にはいささか疑問が残ります(小声)
再犯による別件逮捕、自首 これら以外で10年以上経過した未解決事件が動いたケースはほとんど知りません。
殺人を犯しておきながらも、事件以降は大人しくしているということでしょうから、よほど自然に生活に溶け込んでいるのでしょう。
先述の世田谷一家殺害事件や、スーパーナンペイ殺人事件、柴又女子大生放火殺人事件などと比較すると事件自体の知名度は高くなく、知らない方も多くいると思います(そもそも警視庁管内との事件とは力の入り用も違うでしょうが)
特番などで定期的に取り上げられたりしますが、そういった番組をもっと積極的に作って欲しいなと。
いつ、どこで、どんなきっかけで進展するか分かりません。
風化は絶対に避けなくてはいけません。
あなたの周りに当時、手に大怪我をしていた女性はいませんか?
凶悪な人殺しはあなたの隣にいるかもしれません