50代からの挑戦――マラソンと経営を通じて人生をもっと楽しむ

50代からの挑戦――マラソンと経営を通じて人生をもっと楽しむ

合同会社フォース副代表 / 50代経営者ランナー。マラソン大会を転戦しながら、走って気づいた経営の話を書いています。サブ3を目指し中。浜田省吾を15歳から聴き続けている50代。

 

 

6ヶ月間、ずっと抜かれ続けた。今もそれは変わらない。でも前ほど気にならなくなった。人は人。自分には自分のたどり着きたいゴールがある。

 

 

ゾーン2トレーニングを意識して取り組み始めた当初、ペースはキロ7分台。日によっては8分台。歩いているのと大差ない。

 

隣を颯爽と走り抜けるランナーを見るたびに、フラストレーションが積み上がった。時々、思いっきりダッシュしたくなる衝動にかられた。「こんなにゆっくり走って、本当に意味があるのか」と、何度も疑った。正直、何度も挫折した。

 

それでも続けられた理由はひとつ。走り終えた後、脚が重くなかった。疲弊感がなかった。必ず変わる。その一点だけを信じて、腐りながら続けた。

 

先日の30km走。気温25度。本来はもう少し早い時間に走り出したかったが、それはまた別の話だ。

 

いつものように走り始める。5km、10km、15km。ペースは気にしない。心拍数のアラームだけを頼りに体を動かす。

 

20km手前で、ふと気づいた。

 

「あれ、今日は体がなじんでいる?」

 

心拍上限のアラームが鳴らない。ペースを確認すると、いつもより30秒近く速い。「心拍計が壊れたか?」と本気で思った。

 

「まあいっか、いけるとこまで行こう。」

 

26kmで上限アラームが鳴った。暑さと発汗の影響もあるだろう。ペースを落として30km。終わってみれば、リズムよく、気分よく走れた。

 

フォームが崩れなくなった。お尻を使えるようになった。そして何より、終わった後の疲労感がこれまでと違った。「もっといけそう」という疲労感。それは初めての感覚だった。

 

「一皮むけたか?」独りよがり。自己評価を高めた日。

 

6ヶ月、ひとりで走り続けた。

 

誰かに見せるためでも、評価されるためでもない。孤独を道連れに、ただ前に進む時間だった。どれだけ遠くても、たどり着いてみせるという気持ちだけを持って。

 

トレーニング中いつもヘビロテしていたあるソングライターの曲がある。その言葉が、何度も足を動かしてくれた。

 

思い出したのは、雨乞いの儀式の話だ。雨が降るまでやめなかったから、成功率は100%。かつての私はそれを笑っていた。でも今は笑えない。

 

「当たり前のことを、愚直に続けられるか。」

 

ゾーン2の6ヶ月が教えてくれたのは、その一点だけだ。経営も同じだと思っている。派手な戦略より先に、当たり前を続ける覚悟があるか。孫子の兵法も、結局そこに行き着く。

 

だから、マラソンも経営も面白い。

 

答えはいつも、孤独な積み重ねの先にある。