今日は、昨日に続いて社労士のお仕事からのお話です。

 

「採用についての問題~戦後の負の遺産」(8)~ある雑誌の記事からある調査から若者の姿~

 

 

 

最近、よく言われている「採用についての問題」を、私なり考えてみました。

 

 

一昨日は、

 

『戦後のまもなくできたほとんどの制度が今もなお残っている上に、継ぎ接ぎのように直してきた社会。

 

戦後80年前の制度が今の社会には合わなくなってきている。

 

この一つに、「学歴偏重」しすぎた採用の基準が存在する。』

 

 

と、このようなことについてお話ししました。

 

今日はその続きとなります。

 

 

かつての戦後のまもなくの日本では成功だった「学歴による選別」は、当時大変評価されていた苦学する学生の姿を基準にしたもの。

 

時代と合っていたことで戦後まもなくの日本には優秀な人材を登用するのに、最もやりやすく適したものであった。

 

それが、もう今の社会では「苦学する学生の姿」を目にはしなくなり、時代とはあわないものとなっている。

 

 

このことに輪をかけたように、今春、ある調査結果が公表されていました。

 

新入社員の意識調査だったのですが、その調査の結果からは驚くべき姿が見えてきたのでした。

 

社員教育で大切とする内容について、「社会のルール、マナー、コンプライアンス等の知識と大切さが重要だ」という質問項目でした。

 

幹部職員の半数以上が「必要だ」と回答したのに比べ、新入社員の方は「わずかに数%」にしか満たないものでした。

 

これとは対照的に、新入社員が「必要だ」という答えが多かったのは、いわゆる「ステップアップ」して転職する際に必要となる「知識の習得・資格の取得」や、それに要する「利用できる休暇や時間の確保に必要な知識」であったのでした。

 

 

私は、このことから後半のことのように、新入社員の「必要だ」とされる項目については、政府の目論見が反映された結果である。

 

反対に、「社会のルール、マナー、コンプライアンス等の知識と大切さが重要だ」ということは、いわば「どうでも良い」ことなのだと受取り、私は愕然としました。

 

 

また、この少し前にあった調査で、「企業選びに重視する箇所はどこか?」という内容の質問です。

 

これから求職する学生は、「賃金」と「休暇制度や福利厚生制度」の項目を選んだ人がダントツでした。

 

こちらからは、「お金と自由になる時間、いろいろとあると便利・快適に過ごせる制度」なのだと、私は受け取りました。

 

 

私は以上のことから次のように感じられました。

 

「社会のルール等はどうでも良い。それよりもお金と自由になる時間があれば良い。」

 

これが今の新入社員の世代を代表する姿であって、この日本の社会を担う人たちの姿なのだと。

 

 

次は、これをただ企業の採用面から考えてみることにします。

 

 

 

また明日に続きます。。。🙋

 

 

(続く)