2024年5月11日(土)

 

デパートの上空に、広告の垂れ幕を泳がす気球が浮かんでいた頃を懐かしく思い出す。アドバルーンはアド(宣伝)とバルーン(気球)を足した和製英語だとか◆昭和初期からその名で通るが、中原中也はなぜかエヤ・サインと言い換えて詩を書いた。<私の部屋の、窓越しに/みえるのは、エヤ・サイン/軽くあがつた/二つの気球/青い空は金色に澄み…>。空が金色に澄むとは、穏やかな光の色だろうか◆それはそれとして中也のエヤ・サイン(空からの知らせ)という表現がしっくりくる記事を読んだ。東北大で津波避難にアドバルーンを使う研究が進んでいる◆大学院生の成田峻之輔さんがとくに懸念するのは、土地のハザードマップを知らない観光客を避難用のビルにどう誘導するかだ。神奈川県鎌倉市を旅行した際、ふと危険が頭をよぎり、空にアドバルーンを浮かべて目印にすることを着想したという◆歴史上、鎌倉大仏も著名な被災者である。明応津波(1498年)で殿舎が流されて以来、野宿の身になっている。見物客が一目で逃げ場所を知るサインが空に上がれば、大仏さまも心強いだろう。

読売新聞 編集手帳より

 

・・・この海が襲ってくるのか?

確かにサイレンだけじゃ逃げ道分からずですね。

アドバルーン、大賛成です!

 

・・・長谷駅は間違いなく吹っ飛ばされますね。