名古屋や大阪、沖縄では比較的容易に発見できるチェリオ自販機だけれど、関東でその姿を確認するのは困難を極めている。そもそも、関東は2007年頃にルートセールから撤退しその自販機の管理は日本ペプシコーラ販売(現サントリービバレッジ)に移管されたのであった。そんな関東の状況を、古い記憶とともに順を追って紹介していきたい。
 
 「関東で弱いチェリオ」、これは多少語弊がありもっと細かく指摘すれば「神奈川以北で弱いチェリオ」の方が正しいであろう。この差は元々の販売会社の違いから来ている。神奈川以北は源流をたどると「日本セヴンアップ飲料」で、神奈川は極洋カナダドライ(更に前は白亜カナダドライ)となる。1983年時点での自販機台数は前者が約1000台、後者が約2700台。この時点でおよそ3倍もの差がついていたのであった。確かに、思い起こせば都内で見たチェリオ自販機はかなり少なかった。記憶を頼りに思い出してみたのは以下の通りである。
 
・神楽坂(南蔵院横の印刷所前)
・広尾(広尾中学校近く文具店前)
・西荻窪(細かい場所は失念したが、駅の近く)
・秋葉原(トライタワーそばの路地)
・北池袋(北池袋図書館近く駄菓子屋前)
・明大前(ゲームインナミキの裏辺り)
・桜上水(駅近く書店前)
・下高井戸(日大文理学部へ向かう途中の道)
・下馬(かつて壜自販機のあった有名な精米店前)
・大山(正確な場所は失念、上段全てがBYGだったのは覚えている)
 
 当時はサイクリングばかりしており、レアだったチェリオ自販機はその場所を覚えるようにしていたため上記の場所はなんとか覚えていた。ちなみに今現在はすべてなくなっている。セブンアップ時代にあった営業所も、90年代に入る頃には東戸倉にあった国分寺営業所のみとなり、そこも2003年春に閉鎖されてしまう。都内の拠点を失陥してしまえば営業上大きなダメージを受けることは明白だ。
 
 一方の神奈川だが、これは写真とともに例示してみよう。
 
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 これは今も存在が確認できている相模線社家駅前にある自販機。2009年のもので、現在は見られないブルースBIGコーヒーの姿が見える。見てわかると思うが、缶製品はBIGコーヒーとライフガードのみで後は全てPET製品だけとなっている。
 
イメージ 2
 
 これは東神奈川の京急新町検車区のそばにあった自販機。一見するとただのサントリーの自販機に見えるが、上段を見るとチェリオのPET製品の姿が見える。自販機の管理ステッカーを見ると…
 
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「日本ペプシコーラ販売(株) 横浜南支店 チェリオ営業部」の文字が見える。この自販機こそ、ルートセールス撤退後にも残ったチェリオ自販機の生き残りなのであった。神奈川県内ではこうした自販機が随所に見られ、特に横浜本牧地域、湘南地域、そしてかつて営業所があった秦野や海老名周辺は少なからず見られる。90年代も神奈川ではライフガードのロゴでペイントされた迷彩模様の自販機を結構見た。記憶に残るのは小田急線柿生駅近くのものである。前身の極洋カナダドライが広げた販売網が思いの外広かったのであろう。
 
 とは言え、神奈川では比較的強かったチェリオも2007年頃に関東営業所を閉鎖しルートセールスから撤退、自販機も日本ペプシコーラ販売に譲渡?したようだ。上記のように自社製品を販売してもらいながらも、コーヒーはBOSSの取り扱いのみで自社のブルースを入れてもらえなかったりと苦しい状況が見られる。中部・関西・沖縄と比べるとなんとも寂しい現実だ。しかしルートセールスからは撤退したが、これらサントリー自販機での販売に加え最近では100円ショップやディスカウントストアでもチェリオ製品を見るようになってきた。2013年になって赤坂に新営業拠点を構えたとも聞く。一度失陥した関東における、チェリオ逆襲の火蓋が切って落とされたのか?その期待を込めて今後も観察していきたいと思う。頑張れチェリオ!俺にチェリオを飲ませてくれ!!
 
 ※今後も関東におけるチェリオ自販機調査は継続していき、そのレポートを公開する予定。