栃木県下野市、近くに東北本線も走るアシードブリュー宇都宮飲料工場。ここは2004年まで北関東ペプシコーラボトリング宇都宮工場であった。
 
 北関東ペプシコーラボトリングの前身である北関東飲料は、手狭になった前橋工場に加え1968年にボトリング工場を建設。これが北関東飲料宇都宮工場であった。1972年には缶詰ラインを増設し、生産体制を増強した。1976年頃にはペプシコーラジャンボ壜の製造も開始する。1981年になると、ペプシコが直営の大型ボトリング工場を埼玉県羽生市に建設。北関東飲料は前橋工場を閉鎖し羽生工場で壜製品の共同生産を開始するが、缶製品は逆に北関東飲料が製造・供給することとなった。フリーダムコーヒー発売の頃には缶コーヒー製造ラインも整備し、宇都宮工場は関東におけるペプシ缶製品の一大生産拠点となっていく。
 
 1981年頃に「製造者 北関東飲料株式会社U」の記述は缶から消えるが、製造所固有記号「PC04」を持つ宇都宮工場は北関東ペプシコーラボトリングへの社名変更を経て、サントリー移管後の2003年頃までペプシ缶製品の生産を行なっていた。その一方で他社製品の受託生産も始めており、三本コーヒーの缶コーヒーなども製造するようになる。乳飲料のカフェ・オ・レには製造者として「北関東ペプシコーラボトリング株式会社」の名前も載っていた。 2004年になると環境がガラッと変わる。北関東ペプシコーラボトリングの親会社であった宝幸水産が、リストラ策として子会社を売却する方針をとる。その結果、北関東ペプシコーラボトリングは販売部門である北関東ペプシコーラ販売と製造部門を継承したアシードブリューに再編されるのであった。
 
 そして、現在はアシードブリュー宇都宮飲料工場として稼働している。主な受託会社は富永食品、神戸ビバレッジ、三本コーヒーなどに加え、セブン&アイなどがホームページから確認できる。三本コーヒーのカフェ・オ・レは製造者として名前が出ている。この中で一番見る機会が多いのはおそらく富永食品だろうか?三本コーヒー以外の缶コーヒーを見たことなかったので疑問に思っていたが、実は結構多くのブランドを受託していたようだ。夏も目の前だが、知らない間にこの工場で生産された製品を飲む機会は増えよう。
 
 
アシードブリュー http://www.aseedbrew.com/