ツヨシ「仙人さん、イライラして心が落ち着かないんですけど。。」
仙人「そんな時は、瞑想すればいいんじゃないか。」
【瞑想の効果】
- ストレスが軽減される
- 集中力が高まる
- ポジティブになれる
ツヨシ「(瞑想が良いのは)分かっているんですが、瞑想する気が起きないんですよ。」
仙人「そうだろうなぁ、目が死んでるよ。イラついてる時は、悪魔が騒いでいるからさ。」
ツヨシ「悪魔だなんて、怖いこと言わないでくださいよぉ。」
仙人「フフッ、怖がりだな。心配しなくても「悪魔」は妄想なんだから。だからって、悪魔をなめてはいけない。そいつが、人を苦しめるんだからなぁ。」
※苦しみが何ゆえに起こるのかを理解するがよい。苦しみをもたらしているものは、快を求めてやまない(そして、不快を避けてやまない)「求める心」なのだ。
…初転法輪経 サンユッタ・ニカーヤより
ツヨシ「ふ~ん、そうなんですね。ボクの苦しみは、「過剰な欲望」と「ビビり過ぎ」が原因だ、ということは良く分かりました。。」
仙人「全部ツヨシに当てはまっているだろ。しかし、いつもそんな「煩悩」を持っていると、いずれ地獄へ堕ちる。」
ツヨシ「どうして、そう言い切れるんですかぁ?」
仙人「ああ、欲望も恐怖も妄想だからだ。空の世界では妄想が妄想を生む。そして、(原因と結果の法則によって)欲望と恐怖の地獄へと突き落とされる。」
※「求める心」が輪廻の洪水「満たされなさの繰り返し」を作っている。さまざまな欲求が奔流となって、この身を突き動かしている。人間は、越えがたい欲望の汚泥に埋まっている。
…スッタニパータ(戦いの手)の節より
仙人「お釈迦さまは、欲望と恐怖の地獄に苦しむのは「真実」を知らないからだ、と言ったんだ。」
ツヨシ「真実?って、何ですかぁ?」
仙人「ああ、この世は「空」だということさ。」
※色即是空、空即是色、五蘊皆空~目に見えるもの、耳に聞こえるもの、触れて感じることができるもの、形あると思っているものは全て実体がない。(変化している)同じように心も実体がない。今日、仏の心でも、明日になれば悪魔の心になっているかもしれない。
ツヨシ「空というのは、、有ると思っても無いし、その反対に無いと思っても有る、ってことですよねぇ。」
仙人「ああ、そんなところだ。お釈迦さまは瞑想中に「自我は無い!」と悟ったんだ。だから、自分(我)が認識している存在に惑わされてはいけない。「無我になれ!」と説いたのさ。」
※諸法(全ての存在)は無我である…仏教の根本の教え
※「無我」になることが重要なのは、、人は自分を基準にして物事を判断する。そのため間違いを犯す。ブッダは、「固定観念(我)を捨てて地球・宇宙レベルで思考すると智慧が出るから、苦から解脱できる。(幸せになれる)」と説いた。
ツヨシ「それなら知っています。「無の境地」のことですよね!」
・無の境地…自分の欲求・煩悩にとらわれなくなったことで迷い・悩みが無くなっている精神的な境地
・無我の境地…我を忘れるほどに、一つの物事・目標に集中してのめり込んでいる状態
仙人「無と無我は違うが、、まぁ、そんなことはどうでもいい。。私が言いたいのは、、生身の人間は「無」になんてなれない、ってことだ。」
ツヨシ「えっ!無になれないんですかぁ?でも、武蔵が戦う時はいつも「無の境地」だったんじゃないんですかぁ?」
※剣豪「宮本武蔵」…生涯60数回の勝負に1度も負けたことが無かったという「二天一流(通称二刀流)の偉大な剣豪」。佐々木小次郎との「巌流島の決闘」は有名だが、島原の乱など多くの戦に出陣して前線で活躍した。
晩年に「五輪の書」を書き著した。
仙人「フッ、(無)何も考えてなかったら、相手に切られるだろ。武蔵は常に先手必勝で切ることしか考えてなかったんだよ。だから、相手に攻め入る隙を与えなかったのさ。」
※宮本武蔵「五輪の書、火の巻」より…
・「(先手必勝)兵法勝負の道においては、何事も先手先手と心懸くる事也。(剣を)かまえるという心は、先手を待つ心也。」
・「敵の心は刀の動きにあらわれる」
・「敵が「山」と予想するなら「海」と仕掛け、「海」と予想するなら逆に「山」と仕掛ける」
ツヨシ「ふ~ん。武蔵は、常に相手の「心」を読んでいたんですね。」
仙人「ああ、(相手を切るために)目の前の相手の「心」だけを観ることに、集中していたのさ。だから、武蔵の心には「邪念」というものがなかったのさ。」
※邪念…負けたくない。死にたくない。勝ちたいが、人殺しになりたくない。良いかっこうを見せたい。
ツヨシ「あっ、だから、「無我の境地」なんですね。」
仙人「そういうことさ。凡人は「とにかく勝ちたい」とか「負けるのが怖い」と自分のことばかり考える。だから、その煩悩(妄想)という悪魔にやられる。」
ツヨシ「そう言うことだったのですねぇ。じゃあ、どうすれば煩悩を消せるのですかぁ?」
仙人「今まで何を聞いてたんだ。煩悩は消せないんだよ!というより、元々そんなもの(妄想)は無いものだ。」
※人は考えるサル。…起きてる時も寝ている時も、脳は常に思考している。平均的な人の場合、一日に3万回~5万回思考しているが、大半はネガティブな思考である。
仙人「凡人は苦を考えるから苦しむ。幸福になりたければ「楽」を考えれば良い。たった、それだけのことだ!」
- 苦⇔楽
- 悲しみ⇔喜び
- 嫌悪⇔好き(信頼)
- 恐怖・不安⇔安心
- 自信がない⇔自信がある
- 孤独(一人で寂しい)⇔人と繋がっている
- 他人から馬鹿にされている⇔尊敬されている部分がある
ツヨシ「いつも「楽したい」と考えているんですけどねぇ。」
仙人「「楽」じゃなくて、「楽しいこと」を考えるんだよ。「宝くじ」で5億円が当たったらと想像してみろ!楽しいだろ。」
ツヨシ「そうですねぇ、5億円もあれば、まず1億円を貯金して、それから1億円の豪邸を買って、、ブランドの時計でしょ。えぇっとそれから、、」
仙人「フフッ、そういう風にアホな妄想してたら、「苦」は消えるのさ。」
ツヨシ「ええ、「妄想しろ」って言ったのは仙人さなのに、アホ呼ばわりはヒドイじゃないですかぁ!」
仙人「すまんすまん、はっはっは」
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【今日の学び】
【四諦八正道】
▽生存は苦である(苦諦)
▽苦の原因は無明と我執である(集諦)
▽これを離れたところに安らぎがある(滅諦)
▽そのために実践する道がある(道諦)
☆人間は(8割以上ネガティブに)妄想する生き物である。
★その思考が現在の苦の状態を作った。
だから、今の自分は「偽物」だと悟ることが大事です。(自我を無くすことが重要)
☆ところが、「無我」になろうと考えることは、煩悩を生むため逆効果になる。
★(無我になる)解決策は、、
1, 楽しいことを考える。楽しいことを喋る。笑う。
2, 楽しいことに没頭する(無我夢中)
3, 「他人を楽にすること」に集中する。(忘我)
4, 意識を宇宙(大日如来)に溶け込ませる(一体化)と、その瞬間、我はない!(仏に成っている)
☆「無我の境地」になると、どんな状況でも「楽」を楽しめます!