私は基本的に記録用にピンインを使いたくないので、この話題は不向きかも、と思いながらもどうしても知ってる人に聞きたくて、ブログに書くことにしました。
ピンインをあまり使いたくない理由は、非常に政治的な理由で作られた表記法だから。詳しくはこちら。
さて、現代中国語(現代漢語)の読み、発音はあまり法則性がなく、体系的に論じるのは難しいという事は経験的に知っている人、あるいは研究を通して発表している人が多いので人口に膾炙している所です。
例を挙げれば、動詞「教」は一声だけど名詞「教」は四声、動詞「看」は四声だけど名詞「看」は一声と、動詞と名詞の声調に統一性がない、とか。
そんな中でも日本語の音読みと漢語の発音でほぼ例外なく音素を特定できるのが、「ン」で終わる音読み。
日本語音読み「ン」で終わる漢字は、漢語舌尖音の「n」で終わる。
日本語音読み「ン」で終わらない漢字は、漢語舌根音の「ŋ」で終わる。
念のため(嫌いな)ピンインで書くと
漢字 | ピンイン | 音読み |
案 | an | アン |
昂 | ang | ボウ |
看 | kan | カン |
抗 | kang | コウ |
林 | lin | リン |
零 | ling | レイ |
满 | man | マン |
忙 | mang | ボウ |
因 | yin | イン |
应 | ying | オウ |
このようになり、「n」と「ン」が対照していることがわかります。
これ、私の知る限り一例の例外以外100%当てはまるので、ピンイン入力でnかngかとっさに出てこないときは役に立ちます。
例外の一例とは、
肯 ken コウ
で、「n」で終わるのに「ン」で終わらない。
百姓読みと言って、本来そう読まないのに、無知な人が思い込みで読んでしまって習慣化した読みがありますが、「肯」は百姓読みではなさそう。
誰か、なぜ「肯」をコウと読むのか知りませんかね?