少し時期を逸したかもしれませんが、最近知った春節ソングについて書きます。調べてみたら意外な歴史がありました。
恭喜恭喜
1945〜1946年(複数の情報あり)
歌唱:姚敏、姚莉
作詞:慶餘(陳歌辛のペンネーム)
作曲:陳歌辛
洗練されてる〜。東欧かどこかの民謡っぽい。憂いがあってロマンティックで、春節のイメージとは全然違います。
調べてみると、元々は日中戦争に勝利したことを祝う歌で、それがいつしか春節の歌として定着したそうです。今では戦勝ソングだったことを知らない人も多いらしい。
戦勝ソングとして聞いても、このロマンティックな感じはちょっと不思議な気がします。アメリカの有名なクリスマスソングには戦時中に作られたものが多いという話をなんとなく連想しました。
歌詞は抽象的というかシンプルで、「街じゅうでみんながおめでとうと喜び合ってる。冬が終わり春がやってくる。どれだけの困難に耐えて、どれだけ春を待ちわびたことだろう」というようなものです。
歌っているのは姚敏と姚莉の兄妹。姚敏は有名な作曲家でもあります。
作曲家の服部良一が戦中・戦後に上海で暮らしていた時期があり、地元の音楽家たちと親交を深めていたそうなんですが、そのなかに姚敏や、この歌の作者である陳歌辛もいたそうです。
鄧麗君(テレサ・テン)バージョンはハツラツとした感じ。春節の歌として歌われているけど、いわゆる春節っぽいアレンジではない。
1968年『聖誕快樂 敬賀新禧』収録
そして、最新のちょいダサ版。春節ソングとして聞くならこういうのが好き
林必媜はマレーシアの歌手だそうです。
これ嫌いじゃないな。やはりメロディがいいんだと思う。