国連軍縮部のトップにメッセージを伝える! ~New York Report (5)
公式的な行事は本日が最終日。午後一番に国連軍縮代表部の上級代表であるアンゲラ・ケインさんにお会いすることができました。直前まで事務総長とのミーティングで、準備委員会の期間中、かなりハードなスケジュールを送られているにも拘らず、今回は本校卒業生で国連職員の荊尾(かたらお)遥さんの計らいで面会が実現しました。
本校高3の久保田さんがこれまでの取り組みの内容や署名活動に込めてきた思いをお伝えし、先月、街頭署名で集めた約2000筆の署名を手渡しました。また、ニューヨークに来てから集めた100筆もお渡ししたところ、とても驚かれて、「ニューヨークでもストリートで活動をしたの?」と聞かれましたが、月曜日に訪問したスタイベサント高校で多くの高校生が署名してくれたこと、今後も協力してくれることなどを説明すると、「それはすばらしい! とにかく若い世代がこうやって横のつながりをどんどん広げていくことこそが核廃絶につながるのよ。これからもしっかりがんばって!応援していますよ」と力強い励ましのことばをかけてくださいました。
過密スケジュールのなか、私たちのために20分も割いて下さっただけでなく、ユーモアも交えながらにこやかに、しかし力強く激励して下さったことは高校生にとって大きな励みになるだけでなく、これからの活動を支える大切なことばとなるでしょう。内容の濃い20分でした。
また、国連のなかでも軍縮分野を専門とする「UNODA(国連軍縮部)」のオフィスに入ることのできた生徒たちは大興奮!オフィスのあちこちで写真を撮りました。エレベーターに入ると真正面に国連のロゴが。これにも大騒ぎしながら31階のオフィスから地上へと降りました。
~広島女学院HPより~
広島女学院のHPを読んで驚きました。
「国連軍縮代表部の上級代表である アンゲラ・ケインさんにお会いすることができました。本校卒業生で国連職員の荊尾遥(かたらお はるか)さんの計らいで面会が実現しました」 とのご報告に、一瞬心臓が止まりそうでした。
前列向かって左から3人目の女性が 「荊尾遥さん」 荊尾道子・提供
あの遥ちゃんが国連で働く夢を実現させていたのです。
しかも、この度、貴光の遺影も一緒に国連へ行っていたのですから、彼女の計らいで派遣された一行がケインさんに会わせていただいたことは、大変衝撃的なできごとでした。
荊尾遥さんは、女学院中学3年生の時、1998年4月に広島で開催した、【ユーゴと神戸の被災児たちをよぶ広島の会】 に参加したすてきな女の子でした。旧ユーゴスラビアのセルビアから20名の子ども達を日本に招いた神戸の子ども達の代表が、亡くなった私の息子の学友・村上友章さん(現・立命館大、神戸大講師) だったことで、私も日本側のお手伝いをすることになり、広島へ招待し交流をする 「広島の会」 を結成したのでした。この会を立ち上げるためにご尽力くださったのが、詩人の井野口慧子(いのくちけいこ)さんと、ゆとりの場主宰の栗原淳子さんでした。
その交流会に参加した遥ちゃんは、この時初めて外国の人と交流し、貴光の存在も知ることになったのでした。
彼女の視野はどんどん広がり、高校生になると平和活動に積極的に参加するようになったのでした。
やがて彼女の中にも、国連を視野に入れた学問に目覚め、大学、大学院は津田塾を選びました。
彼女の情報はそこで途絶えていましたが、昨日、国連で働いていることが判明したのです。
左端の女性が 「荊尾遥さん」 もう遥ちゃんとは言えませんね。 荊尾道子・提供
私は、逸る心を押さえながら、1998年当時の名簿で、遥ちゃんのお母さんの電話番号を探しお電話してみました。
いらっしゃいました!!
遥ちゃんが大学生になってからも、たびたび電話でお話していました。 「貴光さんと加藤さんとの出会いが遥に大きな影響を与えてくださいました。帰省の度に話題にのぼります」 と。
あれから10年くらいご無沙汰したままでした。
突然私からの電話を受けて、お母さんは大変驚かれましたが、事情をお話すると、大変喜んでいただき会話が弾み2時間もお話しました。
5月1日にスズランを贈ると幸せになれる。本当に幸せな日でした。 内藤達郎・撮影
遥ちゃんは、もう立派な国連職員となって、現在ネパールに駐在しているそうです。
「国連アジア太平洋平和軍縮センター政務官」 として、アジアを駆け巡っています。
不思議なことに、私がお母さんと電話でお話している時、キャッチホンで彼女の方に電話がかかってきました。
何ということか、その相手が遥ちゃんだったのです。
夢を実現させるために (スイカズラ) 内藤達郎・撮影
人も、時も、長い時間をかけて廻っていくのですね。
感動で心臓の鼓動が高鳴った一日でした。
これからは荊尾遥(かたらお はるか)政務官の様子を、随時知らせていただけるでしょう。
楽しみが増えました。
時間をかけて白から黄色に廻っていくお花。 (スイカズラ) 内藤達郎・撮影