外国人技能実習生実践活用術 協同組合エヌ・ケー・ユーのブログ -2ページ目

外国人技能実習生実践活用術 協同組合エヌ・ケー・ユーのブログ

外国人雇用をご検討の方、海外進出をお考えの方、人材確保にお悩みの方、協同組合エヌ・ケー・ユーがご相談に乗ります。現在、中国からの受入れを行っていますが、ベトナム、インドネシア、タイからの受入れも準備中です。これらの国への進出のお手伝いもいたします。

第2回 最近における外国人技能実習生の労働条件確保のための送検の状況


平成18年以降において、労働基準監督機関が外国人技能実習生に係る労働基準関係法令違反により送検した件数は以下のとおり。


外国人技能実習生実践活用術 協同組合エヌ・ケー・ユーのブログ

平成22年の送検件数は18件。

うち、労働安全衛生法違反が2件、労働基準法・最低賃金法違反が16件であった。


平成22年における送検事例は次のとおり。


事例1:過労死案件に係る法定労働時間等違反について、強制捜査を実施し、送検したもの。

【金属部品メッキ処理業を営むA社及び同社代表取締役Bについて、外国人技能実習生に係る労働基準法違反の疑いで送検した事例】

 本件はA社で就労していた外国人技能実習生の遺族から、過労死に係る労災保険給付手続きが行われ、長時間労働が疑われたことから、A社に対し臨検監督を実施し、時間外労働に係る法違反が認められたため送検したもの。

 なお、被疑者Bに対して、同技能実習生の残業時間を記録した帳簿等の提出を求めたところ、虚偽の内容が記載された賃金台帳の提出が行われた為、A社の事務所等に対し強制捜査を実施した。

[違反事実]

 労働基準法第32条違反:3ヶ月の間、同技能実習生1名に、時間外労働に関する協定書の範囲を超えて時間外労働を行わせていたもの。

 労働基準法第37条違反:同期間中、外国人技能実習生3名に対し、時間外労働のうち1ヶ月につき20時間を越えるものについては時間額400円しか支払わず、法定の割増賃金を支払わなかったもの。

 労働基準法第109条違反実際の退勤時間を記録したタイムカードと賃金台帳を破棄し、虚偽の退勤時間を記録したタイムカードと虚偽の賃金台帳を作成したもの。


事例2:最低賃金法違反について、証拠物の提出に応じなかったため、強制捜査を実施し、送検したもの。

【縫製業を営むA社、B社及びA社、B社の代表取締役C等について、外国人技能実習生に係る最低賃金法違反及び労働基準法違反の疑いで送検した事例】

 本件は労働基準関係法令違反の存在をうかがわせる投書を契機として、A社に対し臨検監督を実施し、賃金に関する重大な法違反が疑われる状況の下で、出勤簿等の提示を求めたが応じなかったため、証拠の隠匿のおそれもあったことから、悪質と判断し、強制捜査を実施の上、労働基準関係法令違反を確認し送検したもの。

 なお、A社と代表者が同じB社においても同様の法違反が認められたため同様に送検した。

〔違反事実〕

最低賃金法第4条違反:外国人技能実習生6名に対し、1ヶ月の労働時間が月243時間までは60,000、243時間を越えた時間については時間額400円と時間額400円と最低賃金を下回る額で毎月の賃金が支払われていたもの。

 労働基準法第32条違反:約11ヶ月間の間、同技能実習生に対し、時間外労働に関する協定の範囲を超えて時間外労働を行わせたもの。

 労働基準法第35条違反:休日労働に関する協定の範囲を超えて休日労働を行わせていたもの。

 労働基準法第104条の2、同法第120条違反:労働基準監督官に対し、事実を隠蔽する為に虚偽の出勤簿及び賃金台帳を提出したもの。


事例3:賃金台帳について二重に管理して、割増賃金不払いをした事例について送検したもの。

本件は外国人技能実習生から申告に基づきA社に対し臨検監督を実施したところ、労働基準法違反が認められたが、被疑者Bは、行政からのほう違反の指摘を免れるべく同技能実習生に口止めをし、また、時間外労働と休日労働の時間数及び割増賃金金額を賃金台帳に記載せず別のノートで管理していたことが判明した為、悪質と判断し送検したもの。

〔違反事実〕

 労働基準法第37条違反:6ヶ月の間、技能実習生5名に対し、合計2,309時間の時間外労働及び合計360時間の休日労働をさせたにもかかわらず、時間額400円しか支払わず、法定の割増賃金を支払わなかったもの。


事例4:労働者が墜落するおそれがある場所に係る危険を防止する為に必要な措置を講じなかった事例について送検したもの。

【解体業を営むA社及び同社取締役Bについて、技能実習生に係る労働安全衛生法違反の疑いで送検した事例】

本件は工場建屋の解体工事現場において、工場の屋根にふかれたスレート板を撤去する作業を行わせるにあたり、踏み抜きによる危険を防止するための措置が講じられていなかったため、外国人技能実習生が上記屋根のスレート板を踏み抜いて墜落し、死亡するという重大な結果を招いたと判断し、送検したもの。
〔違反事実〕

 労働安全衛生法第21条違反:作業箇所は高さ7.1メートルのスレート葺き屋根上で、踏み抜きにより労働者に危険を及ぼすおそれがあったにも係らず、歩み板を設け、防網を張る等の踏み抜きによる危険を防止するための措置を講じなかったもの。


事例5:作業内容変更時に必要な安全教育を行わなかった事例について送検したもの

【鋼材加工・販売業を営むA社及び同社課長Bについて、外国人技能実習生に係る労働安全衛生法違反の疑いで送検した事例】

 本件は技能実習生に対し、安全教育が行われていなかったことから、同技能実習生が作業中に、穴あけ機械のドリルを動かしたまま、当該機械の作業台から加工済みの鉄板を取り外すという危険な行為を行った結果、ドリル部に作業着が巻き込まれ、右腕を切断するという重大な結果を招いたと判断し、送検したもの。

〔違反事実〕

 労働安全衛生法第59条違反:被疑者Bは、A社の安全衛生責任者であるが、技能実習生の担当作業を変更したにもかかわらず、作業内容変更時に、労働者が従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項について教育を実施しなかったもの。


以上、皆さんの職場におかれましては同様の違反・事故のなきよう十分ご注意ください。






去る2011年10月13日 メルパルク東京にて、JITCO能力開発部主催の経営者安全衛生セミナーが開催されました。

その内容を何度かに分けてご報告して参ります。


第1回

労働基準監督署による監督指導および送検の状況


財団法人国際研修協力機構(JITCO)能力開発部長・大槻勝啓氏より、労働基準監督機関が実習実施機関(受入れ企業)に対して実施した監督指導の状況、および技能実習生が労働基準監督署に駆け込んだ「申告」の状況について説明がありました。

実習実施機関(受入れ企業様)におかれましては、同様の違反行為が無きよう日頃から法令順守を徹底下さいますよう、お願いします。


(1)監督指導

平成23年には3,145件の監督指導に対し、実に74%にあたる2,328件に違反が認められました。


外国人技能実習生実践活用術 協同組合エヌ・ケー・ユーのブログ


違反の内訳は

 労働時間      929件(29.5%)

 割増賃金不払い  690件(21.9%)

 賃金不払い     406件(12.9%)

 労働条件の明示 405件(12.9%)

 寄宿舎関係    309件( 9.8%)

 安全衛生関係   1337件(42.5%)

 最低賃金     174件(5.5%)

となっています。

 

平成22年における監督指導事例として次の例が挙げられています。


事例:効果的な臨検監督により割増賃金の不足額が支払われたもの。

【繊維製品製造業務に従事している外国人技能実習生から、割増賃金に係わる情報提供が匿名で成された事例】

 前日に、夜間の労働実態確認のため工場を内偵し、夜間も操業していることを確認の上、臨検監督を実施した。

 使用者は時間外労働を行わせていないと否定したが、外国人技能実習生に直接確認し、時間外労働を行っているととの証言をとったほか、前夜に就業実態を現認した上で再度使用者に尋問したところ、外国人技能実習生3名に対し、時間外労働を行わせていること、時間額500円しか支払っていないことを認め、法定の割増賃金を支払わなかった(労働基準法第37条違反)事実が確認されたため、使用者に対し是正勧告を行い、不足額約100万円が支払われたもの。


(2)申告

「申告」とは、労働基準法第104条にある『事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。』のことで、いわゆる従業員が労基署に「駆け込む」事です。


ここでは、外国人技能実習生の場合を取り上げています。平成22年度に外国人技能実習生が「申告」した例は182件で、その内訳は

 賃金不払い(労働基準法第24条、第37条)   175件

 最低賃金(最低賃金法第4条)           21件

 解雇の予告等(労働基準法第20条等)      8件    (複数回答)


平成22年における申告処理事例


事例1:申告監督により割増賃金及び最低賃金の不足額が支払われたもの

【繊維製品製造業務に従事している外国人技能実習生3名から、賃金不払い及び割増賃金に係る申告が成された事例】

申告を受け、臨検監督を行ったところ、使用者は、基本給12万円、時間外労働については法定の割増賃金870円を支払っていると主張した。

 しかし、虚偽の陳述は労働基準法第101条および120条により処罰の対象になる旨教示した上で、再度、割増賃金の実態について尋問したところ、使用者から、過去2年の間、基本給については5万円から6万円、割増賃金については時間額300円から450円しか支払っていないことを記録した書類が提出され、最低賃金額及び法定の割増賃金が支払われていないことが確認されたため、使用者に対して是正勧告を行い、不足額約300万円が支払われたもの。


事例2:労災補償や健康管理に係る法違反について是正されたもの

【金属製品製造業務に従事している外国人技能実習生3名から労働基準法、労働安全衛生法違反に係る申告がなされた事例】


申告を受け、臨検監督を行ったところ、法定の割増賃金を支払っていないこと、業務上のけがについて療養補償が行われていないこと、定期健康診断が実施されていないこと、溶接作業時に呼吸用保護具を使用させていないこと等が確認されたため、使用者に対し是正勧告を行うとともに、是正について繰り返し指導を行い、法違反が是正されたもの。


昨年、入管法改正に伴い、入国1年目から労働関連法令が適用されることになった為、労働基準監督機関の監督指導も厳しくなったようですが、受入れ企業側は旧制度の認識のまま、受入れを続けているような事例も見受けられ、我々監理団体の指導が問われるところです。


次回は更に悪質な送検の事例についてご報告します。


以上

当組合職員の甲斐が東京都中小企業団体中央会主催の『女性職員講習会』に参加してきましたので、ご報告します。


【 講習科目 】 1.女性として携わる健全な組合運営

           講 師 : 都市近代化事業協同組合 専務理事

                  東京都中小企業組合士協会 女性部部長 永薗愉美子氏

          

          2.人生を豊かにするプラスの思考を手に入れる

            ~メンタルヘルス マネジメント(ストレス対処策)~

           講 師 : プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー

                  認定キャリア・コンサルタント エグゼクティブ・コーチ

                  竹内和美氏

【 講習実施日 】 平成23年10月6日 13時30分 ~ 17時00分 


【 講習内容 】   第1部 永薗愉美子先生による、組合作り体験談・役職と組合士の責任・女性として

                事務職に携わる心得の講義

           第2部 竹内先生によるメンタルヘルス マネジメントの講義

                ・「~ねばならぬ」と思っている人は要注意。

                ・守ろう!と思う心がイライラ(ストレス)を引き起こす。       

                ・相手が持っている思考の癖を見極めて話をする。

                ・どんな言葉を言った時、相手が文句を言ってくるのか探す。

                ・聞き方を変えてみる。

                   「~さんは、こうしないといけないと思っていらっしゃるのですね。」

                   相手が言ったことをオウム返しの様に言ってあげると、

                   「あ、言った事が解ったんだな。」と思ってもらえる。

                ・「~ねばならぬ」は、その人の信念。

                ・どうしてもストレスを感じてつらくなった時は、意図して自分の環境を変える。

                 朝の通勤電車の乗車時間を変えるだけで随分変わる。


【 講習修了の感想 】  第1部 永薗愉美子先生の講義は、所属されている協同組合がNKUと似通った

                    事業だったので、話が良く理解でき、参考になりました。

               第2部 竹内先生の講義は、とても耳障りの良いやさしいお声で淡々と解り易く

                    お話しいただいて、時間があっという間に過ぎました。また、隣近所に

                    居合わせた方とディスカッションをした事を切っ掛けに仲良くなれ、

                    とても楽しい時間を過ごせました。

                                                                 以上