11年4月06日 [09:29]  日刊スポーツ


 昨年10月にベルトを失った元WBA世界スーパー・ウェルター級暫定チャンピオンの石田順裕(35)が、再起戦で大きな賭けに出る。4月9日(日本時間10日)、ボクシングの本場、米国ラスベガスで無敗の大型ホープ、ジェームス・カークランド(米=27)と対戦するのだ。勝てばトップ戦線再浮上、負ければ選手生命の危機に立たされる重要な戦いとなる。


 石田は敵地メキシコで僅少差の判定負けを喫して王座を失った直後、一時は引退も頭をかすめたというが翻意して現役続行を決意。新たにメキシコのプロモーションと提携して、活躍の場を海外に求めることになった。その第一弾が今回の試合となる。


 世界王者経験者の再起戦というと比較的リスクの少ない相手が選ばれることが多いが、石田の相手カークランドは"危険度A"の強豪といえる。


 このサウスポーのスラッガーは146戦(134勝12敗)のアマチュア経験後、2001年にプロ転向。北米タイトルを獲得するなどして世界1位まで躍進したが、違法行為のため戦線離脱。先月、2年ぶりにリング復帰を果たしたばかりで、石田戦が復帰後3戦目となる。戦績は27戦全勝(24KO)。6階級制覇王者オスカー・デラ・ホーヤ率いるゴールデンボーイ・プロモーションズの秘蔵っ子として知られ、「近い将来の世界チャンピオン」と目されている。


 石田は「カークランドはパンチ力のある強い選手。テクニックだけでさばける相手ではないので、状況によっては打ち合うことも必要だと思う」と話している。

 石田対カークランドは、当日のメインカードであるマルコス・マイダナ(亜)対エリック・モラレス(メキシコ)のWBA世界スーパー・ライト級暫定王座決定戦などとともに、有料テレビで全米に放送される予定となっている。負ければ後がない状況に追い込まれるが、話題の新鋭に勝てば一気に知名度と評価を上げることになる。石田にとってはハイリスク、ハイリターンのカードといえる。


 日本時間の10日、ラスベガスからの朗報を待ちたい。