「練習せずに勝つのがカッコいい」
「泥臭く努力する奴はダサい」
……と。
今思えば、ただのサボりに哲学の衣を着せていただけだ。
現実は、正反対だった。
その勘違い一個のせいで、本来もっと早く辿り着けたはずの場所まで、10年以上も遠回りした。
10年だ。笑えない。
昔、元世界チャンピオンの飯田覚士さんにこう言われたことがある。
「石田君は、一回負けたら辞めるタイプだと思ってた。そんな雰囲気があった」
そうだろうと思う。
当時の私は確かにそう見えていたはずだ。
だが実際は違った。
人一倍、負けず嫌いだった。
劣等感の塊だった。
「絶対に見返してやる」という執念だけは、誰にも負けなかった。
才能だけで勝てるほど、この世界は甘くない。
最後に笑うのは、泥臭くても積み上げ続けた人間だ。
これだけは断言できる。
遠回りしたからこそ、今はわかる。
泥臭さを恥じていたあの頃の自分に戻って、思いっきりビンタしたい。
「早く気づけ、このバカ」と言いながら。笑


