支援級がいらないってきれいごとだと思う?インクルーシブ教育って誰が誰をインクルードするんだって話 | うっかり女子でもちゃっかり生きる♪ADHD不注意優勢型・雨野千晴☆いつもココロはあめのちはれ☆

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頭の中が多動なADHD不注意優勢型・37歳で診断された超うっかり者の私でも、毎日楽しく生きられます♪失敗しても大丈夫♥自閉っ子&ADDタイプ兄弟子育て中シンママです。うっかり女子でもちゃっかり生きる私の日常を綴ってます(^O^)/

私、小学校勤続10年といっても

産休、育休を二人分とっていたわけなんだけどね。

 

 

 

育休に入ってからも、折に触れて思い出していたお子さんがいたの。

 

今日はその話。

 

 

 

 

 

 

Aくんは、授業でもはりきって手をあげて発言してくれるお子さんだった。だけど、やり取りが成立しない部分があったり、学習に遅れがあったりしていた。

 

クラス遊びの時間で、休み時間にレクをする時なんかも

 

ゲームのルールへの理解が難しい部分があり、「面白くない。」といって、一人で離れていってしまうこともあった。

 

新年度はいつもはりきって学校へ通ってくるのだけれど

 

2学期、3学期と、だんだん休みがちになってしまう

 

そんなサイクルが例年続いていた。




 

 

 

 

彼に対して、専用の授業課題を設けたり、宿題を用意したりもしていたのだけれど

 

私の能力&一斉授業の指導法では、全体の指導と授業準備に手一杯になってしまっていて

 

彼への配慮が行き届かない時間がほとんどだったと思う。

 

 

 

 

彼がいることで、クラスのみんなが学ぶところは大きかった。

 

彼がはりきって取り組んでいる漢字練習や、書写の時間の丁寧な文字を賞賛したり

 

何か彼が困っている時には、誰ともなく声をかけたり、手伝ったりするような子どもたちの姿があった。

 

 

 

あの年

 

彼から、みんなはたくさんのことを教えてもらったんだ。

 

 

 

 

 

 

でも

 

彼自身はどうだったのだろう。

 

 

 

 

 

あの一年間、彼にとって理解の難しい授業内容を

 

一日中座って聞いていなければいけなかったという状況は。

 

 

 

 

一年という膨大な時間

もしかしたらそれは、彼にとって苦痛でしかなかったのではないか。

 

 

 

私は彼に支援級を進めるべきではなかったか。

 

私はあの一年で、一体彼に何をしてあげられたのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

もっと、自分にできたことがあったはずだ。

 

 

 

 

ずっとそう思っていた。

 

 

 

 

 
 
 
 

 

2年前、「みんなの学校」というドキュメンタリー映画を観た。

 

 

インクルーシブ教育を進めていて

支援級がない(在籍はあるのだろうけど、教室としてはない)という学校。

 

映画に出てくる子ども達や先生は、みんな生き生きとしていて

 

困難さを抱えながらも、みんなで課題と向き合い、学校と地域が一緒になって子ども達を育んでいく姿が描かれていた。

 

 

 

 

 

それを見て、当時私はとても感動したのだけれどね。

当時の記事はこちら

 

 

本当は、私があの映画を見た後に一番感じていたのは

 

あの、みんなと同じ教室で学んでいた、重度の障害のあるお子さんにとって

 

あの場所で過ごすことには価値があったのだろうか

 

ということだった。

 

 

 

 

きっと、あの彼への自分の思いを重ねて見ていたんだろうね。

 

 

 

 

長い目で見れば

 

自分のことを知っていてくれる同年代の人たちが

 

地域にいてくれるということが

 

そのお子さんにとってはメリットなのかもしれない。

 

 

 

 

でも、その同じ時間を費やすのなら

 

もっと彼に合った課題を彼に合った学習法で取り組むことの方が

 

彼にとっては有益だったのではないか。

 

 

 

そんな、今考えてもどうしようもないことを

 

映画を見ながらも、私はずっと考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『学び合い』という授業法を本で読んだときにね。

 

 

これだ、と思ったの。

 

 

『学び合い』について、精力的に出版されている西川先生の著書は30を超えるほどあるそう。たまたま私が手に取ったものには、特別支援教育についても言及されていた。

 

『学び合い』で提示されるたった一つの約束

 

「一人も見捨てない」

 

の中には

 

障害のあるお子さんももちろん含まれる。その子に合った課題を提示すれば、みんなと学習することは可能であるということが書かれていた。

 




その子が地域の子ども達とつながりを持ち、定型発達のお子さんの中で日々を過ごすことがそのお子さんの将来のために大切なのだということ。

 

人とのつながりが、障害のあるお子さんにとって(というか、誰にとっても)幸福な人生を送るための大きな資源となるのだということ。

 

 

そのお子さんが何ができてどこに困難さを抱えていて、どうやったらコミュニケーションが取れるか。パニックなどの時にはどんな風に対処すればいいのか。

 

同じ教室で一緒に学ぶからこそ、日常の中で知ることができる。

 

 

 

そして、その子自身もただお客さんのように椅子に座っているのでなく『学び合い』で形成されていく集団の中で、自分の課題を学習していく。

 

 

この授業であれば、特別に支援が必要とされているお子さんに対して、個別の課題を設定することも難しくないんじゃないかと思ってる。

 

 

 

だってね、『学び合い』では、年間を見通した教材研究、カリキュラム、課題設定は今まで以上に準備が必要となるところだろうけど、

 

その代わり毎度毎度授業の流れを考える必要はない。授業自体は子供たちの主体的な学習に任せることができるから、教師には余裕が生まれるんだ。

 

 

 

子ども達と一緒に、支援の必要なお子さんに対する課題を設定する時間は、きっと十分にあるのだろうと思う。

 

 



 

さらに

 

課題を達成すること自体は、実は「全員で課題達成を目指す」この授業法の一番の目的ではなくてね。

 

 

 

 

全員で課題達成を目指すことで

 

お互いの得意や苦手を知り、それぞれのコミュニケーションスタイルを知り、お互いについて知ることができる。

 

できないことはできないと言えて、それがだめなことではないのだという実感が持てること。

 

困った時にヘルプを出せる相手が身近にできる、地域に根付いた人間関係が築けること。

 

それぞれの子供達が幸福な人生を送るための人的資源を手にいれられる。

 

それが一番の目的とされるところなんだ。

 

 

 

『学び合い』提唱者 上越教育大学教授 西川純先生が謎の健康機器に乗る図。
(・∀・)
 

先生のホームページはこちら

読むと必ずファンになる☆

先生のプロフィールはこちら

 

 

 

 

コホン、もとい。(´∇`)

 

 

 

 

 

 

1年前だったか、

 

ばったり街中で、私は彼に再会した。

 

 

 

 

私よりも背は高くなり

 

おしゃれな服装に身を包んで

 

イヤホンで音楽を聞きながら歩いていた彼に、私は思わず声をかけた。

 

 

 

彼はちょっと驚いたようにこちらを見て

 

すっかり声変わりした低い声で、挨拶を返してくれた。

 

「支援学校に進学したんです。」

 

はっきりとした口調でそう言った。

 

そして、「(自分のことを)覚えてるんだ。」と

 

ポツリと言ったの。

 

 

 

 

 

 

覚えてるよ。ずっと覚えてる。ずっと考えていたよ。

 

 

いろんな思いが湧き出たけれど、私は

 

「うん。」

 

とだけ、短く答えた。

 

なんと言っていいかわからなかったんだ。

 

 

 

 

 

そして

 

立派に成長されて、話しかたもとてもしっかりとしている彼の姿に

勇気付けられた気がしてね、

 

なんだか勝手に、胸がいっぱいになった。

 

 

 

 

 

 

Aくん、私はね、ずっと考えていた

「もっと自分にできることがあったはずだ」

という自分の問いに

 

私なりの答えを見つけた気がしています。

 

 

 

あの時に戻ることはできないけれどね、

 

あなたに教えてもらったこと

 

あの時私ができなかったことを

 

これからやっていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

退職した私に、何ができるかなぁと思うけれど

 

 

現職でないからこそできることも、きっとある。

 

私は私にしかできないやり方で、学校という場所が一人残らず全員の子ども達にとって安心できる学びの場となるために

 

自分ができることを一つずつやっていきます。

 

 

 

 

 

 

 それは、支援が必要な子どものために!みたいな思いじゃ実はなくてね。

 

 

 

 

自分のために。

 

 

 

 

あのときの自分の問いの答えを見つけたという、ワクワク感。

 

これからより良く、ダイナミックに変わっていく教育現場を見たいという思い。

 

そんな自分の思いに自分で答えるために、今自分ができることをやっていくつもり。

 

 

 

 

 

そしてね。もう大人になっちゃってる人たちへ。

 

私が復職してからの、先生方の素敵なエピソードをご紹介した記事を読んでくださった方から

 

「そんなに素晴らしい先生がいるんだ!」

 

「学校への考えかたが変わった」

 

「私も子どもの頃にそんな先生に出会いたかった」

 

そんなお声がけをたくさんいただいています。

 

 

 

私ね。それ、今からだって、全然遅くないと思うんだよね。

 

ぜひ直接、素敵先生に会いにいらしてください♪^^

 



8月20日、『学び合い』を実践されている先生にご協力をお願いして、大人向けに模擬授業をしていただくイベントを厚木市内で予定しています。

 

 

【立ち歩いてもいい、友達と話してもいい

それぞれが自分にあったスタイルで、自分の進度で学ぶ授業体験。】

 それで成績も上がっちゃうって、ほんとなの?

という

最先端の人間研究、教育研究の先の、新しい時代にマッチする授業。

あなたも体験してみませんか。

 

 

「インクルーシブ教育」

 

定型発達の人たちがインクルードするんじゃなくてね、それぞれがそれぞれを内包していく

多様性があってこそ成り立つ教育の場。

 

 

「普通の人」というのは、本当は一人もいないから。

 

障害のある、なしに関わらず

 

一人一人が、人間には多様性があるという前提で自分らしく、その人らしく、学び合える授業法。

 

 

 

支援級や支援学校で学ぶお子さんだけが支援を必要としているわけじゃない。

 

本当は、10人子どもがいれば10通りの学習スタイルがあっていいんだ。

 

それを子ども達に補償することのできる『学び合い』

 

ぜひ一緒に体験しながら、素敵先生たちとつながりを持ってくださいませ^^

 

 

 

お子さんがおられる方はもちろん、そうでない方も

 

学校教育とは直接関わる機会がない、という方にもぜひ来ていただきたいです♪

 

近々お申し込みフォームを作成いたします!お楽しみに(^o^)/*

 

 

【詳細】

 

●日時●

8月20日

14時〜16時

 

●場所●

神奈川県厚木市アミュー厚木5階

和室3

アミューあつぎホームページ

 

●費用●

100円

 

お子様連れ可!!

※託児施設も建物内にございます

1歳以上小学校三年生以下のお子様対象・一時間500円

詳しくはこちら

 

 

おやつとお飲み物をご用意してお待ちしております(^o^)/*

 

 

 

 

 

参考図書・「インクルーシブ教育ってどんな教育?」

学事出版 編集代表・青山新吾

詳細こちら

 

 先日、西川先生にお話をうかがってきました。またちょこちょこ書いていくと思います。

 

先生、研究室のみなさん、お忙しい中こんなどこの誰ともよくわからない三十路うっかり女のために、貴重なお時間をありがとうございました\(^o^)/♥

 

 

 
 
 
 
院生のお子さん抱っこして泣かれてたところ
(´∇`)