ものごとは絶え間なく流れていて、そして同じようでいて同じでないサイクルに組み込まれている。それがこの世の理というもの。

『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず』とは方丈記の冒頭ね。平家物語の冒頭でも同じようなことを告げている。


田舎に引っ越してきてちょうど1年が経ちました。




4つの季節をすごしてみてだいたいの流れをつかんだよ。同じように過ごしたとしても、やっぱり同じようにはいかないんだろうな。

梅雨入りのタイミングも去年とは違うし。


梅雨入り前はいつもお庭でランチ。鳥がさえずり蝶が舞う。気持ちよかったな。


そして傍らにはハチアブバズーカジェット3本。最大12メートル先まで届くの。

これが田舎の現実です。


というのもね、昨年は生垣にスズメバチの巣ができてたの。もう大惨事。

【スズメバチと泰三 前編】
【スズメバチと泰三 後編】

4月ごろに女王蜂1匹でやってきて黙々と巣を作るんですって。だから越してきた時にはすでに巣は作られてたの。そんなの抗いようがないよね。

今年はやすやすと庭を明け渡すわけにはまいりません。


5月に入ってブブブブ音がするなと見上げたらスズメバチの姿が見えて、あわてて用意しました。


紙袋で作ったダミーの巣。


どうもスズメバチは他の一族の巣がある場所は避けるようなんだよね。だからそれっぽく見えるダミーの巣をブルーベリーの木にぶら下げました。


こんなんで勘違いしてくれるんだろうか。

でも神棚にも天井に『雲』、神棚の板の下に『地』とか書いた紙を貼って神さまを欺くでしょ。それぐらい見抜けないでどうやって神をやれるんだろうと思うけど、なんかそういうものらしいんだよね。

スズメバチの脳みそなんてたかが知れてるわ。


と、しばらくしたら上空からブブブブブと羽音が。


どうも昨年と同じ生垣の隙間を出入りしてるみたい。そうか、ダミーを仕掛けるのが遅かったか。


働きバチよりひときわ大きい女王バチ。でも今なら巣が完成してないからまだ1匹だけ…


今だ、泰三!


シューーーーーー。




この日以来スズメバチの姿を見ていません。


そう、去年のわたしたちとは違うのよ。


1年を田舎で過ごして知恵がつきました。


スズメバチが終わったら次はお手洗いにアリが集って、和室にカマキリが乱入して、畳にカビがはえるんでしょ。わたし知ってるんだから。


同じような流れでも違うスズメバチだし、違うアリだし、違うカマキリだし、違うカビ菌だし、昨年とは違う知恵のついたわたしだし。


いまわが家では除湿機2台とサーキュレーターがフル稼働しています。


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