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国際情勢・経済のニュース

国際情勢や経済、ITなど社会で話題になっているニュースを取り上げて、自分の視点を加えながらお伝えしています。

フェイク動画で世界が変わる恐怖

 『実在するウクライナ人女性の顔や声をAIで加工し、中国とロシアの友好関係をアピールするフェイク動画が中国のSNS上で出回っています。

 中国語音声 「世界がロシアに圧力をかけていますが、中国のみなさんだけはロシアを見捨てていません」 こちらのSNS上の動画。AI技術で作られたフェイク動画です。

 ウクライナ人 オルガさん 「ユーチューブチャンネルを始めて1か月ほどたった頃、“中国語を話している姿をみた”とのメッセージが届くようになりました」

 このように話すのは、去年ユーチューブチャンネルを開設したウクライナ人の女性オルガさんです。

 中国のSNS上で、自分の顔と声が使われたフェイク動画のアカウントを見つけました。動画の内容は… ウクライナ人 オルガさん 「私のクローンがロシアの製品を宣伝していました」

 その“クローン”はロシア人を名乗り、中国によるロシア支援への感謝を示し、ロシアのお菓子を買って欲しいなどとアピール。フォロワーは数十万人に上っています。

 ロイター通信によりますと、同じようにして作られたフェイク動画中国のSNS上で数多く出回っています。

 動画の目的については、▼ヨーロッパの女性の“顔”を使い、中国人男性をターゲットに商品を売りこもうとしているという専門家の見方があるほか、イギリスBBCは別の専門家の分析として、▼中国とロシアの友好関係のプロパガンダに使われている可能性があると伝えています。』  

 中国のSNSウクライナ人女性のフェイク動画が出回っているという。
 しかも、これはAIで作成された女性ではなく、実在するウクライナ女性とのこと。  

 そのウクライナ女性ロシア人と名乗り、中国人に中国語でロシア製品を売り込んでいるという動画。

 怖い世の中になったね。

 ウクライナ女性は自分の国を戦争に巻き込んで、今も多くの被害をもたらしているロシア製品を買ってほしいと思うわけがないよね。

 中国人ロシア製品を買えば買うほど、ロシアに資金が流れ込み、ウクライナでの戦争による被害が大きくなる状況だからだ。

 動画の目的については、①ヨーロッパの女性の“顔”を使い、中国人男性をターゲットに商品を売りこもうとしている ②中国とロシアの友好関係のプロパガンダに使われているという2つの可能性を挙げているけど、私は②だと思う。

 ① のロシアの菓子会社が制裁で財政難になって、売り先を人口が多くロシアに友好的な中国人にターゲットを絞って売込みをしようという説も完全には拭えない。

 ただ、ロシアの悪意のある人物が、ディープフェイクや偽情報を拡散するためにテクノロジーを武器化している話はあちこちで聞かれる。  

 特に今年大統領選があるアメリカでは、ロシアの介入が色々言われている。

 フェイクニュースもこれまであったが、フェイク動画は視的に訴えてAIの精度が上がれば嘘だと見抜けない可能性も高くなる。

 嘘から出たまこと。

 世間の大半が信じてしまったら、嘘が本当になってしまう可能性があるのだ。

 前回もトランプ氏が大統領になった際も、ロシアの後押しを受けたのではないかと疑われた事件があったよね。  

 それと今回のニュースはロシア製品を売り込むのにウクライナ女性を使ったという事で、政治的意味あいもありそうと感じたのだ。

 ロシア人に似ているウクライナ人をたまたま選んだという可能性もあるけど、それならウクライナよりもはるかに人口が多い本物のロシア人を使えばいい話だと思う。

 ロシア人女性の中にも中国人男性を魅了する顔立ちのきれいな人は大勢いる。  

 私は、実在し、ユーチューブチャンネル開設したばかりのウクライナ人オルガさんを使ったことにある種の意図を感じるのだ。

 そもそも中国のSNSに登場しても普通は、「中国のロシア支援への感謝を示し、ロシアのお菓子を買って欲しいなどとアピール」などしないだろう。

 フェイク動画が、中国によるロシア支援への感謝ロシアのお菓子を買えという次の行動を促すメッセージを流しているということは、実益とともに間接的には政治的混乱も画策しているように感じる。  
 ウクライナ人が中国語とはいえ、ロシア製品を売り込んでいたら、ウクライナでの生活に支障が生じる可能性大だよね。ロシアと戦争状態にある中で、ひそかにロシア支持なのかなどあらぬ疑いをかけられるかもしれない。

 フェイク動画の実益という点では、本当は石油や天然ガスなどビックビジネスを宣伝したいいのだろうけど、一般人がそんなメッセージをするのは凄く不自然なので、ロシアの日常品をアピールして少しでも外貨稼ぎのたしにしていきたいということではないか。

 私の推測が正しければ、このウクライナ人のオルガさんだけではなく、似たようなウクライナ人のフェイク動画の事例がけっこうあるのではないかな?  

 それにしてもフェイク動画を流されたウクライナ人オルガさんにとっては青天の霹靂でいい迷惑だろう。  

 Youtubeを開設したという事は、何かしら発信したい意見があるとか、生活費を稼ぎたいなどの動機があったはずだ。

 ところが自分の顔を勝手に使われて、自分とは違う意見や主張をされれば、Youtuberとしては致命的だろう。

 視聴者はどちらが本物かなとわからないし、主張が正反対に違っていれば信用もされなくなる。
 しかもフェイク動画の方のフォロワーは数十万人に上っているらしいから、1か月前の本人のフォロワー数よりきっと多いと思う。

 すると、偽動画の方が影響力を持つ可能性が高いよね。

 今は中国人相手の中国語でのフェイク動画だから、そこまで大きくなっていないのかもしれないけど、SNSの拡散はメチャ早い。  

 実際にユーチューブチャンネルを始めて1か月ほどたった頃からオルガさんの所に中国人向けの動画の話が直接届き始めたことでも証明されている。

 AIの発達は凄まじいものがあるが、便利になる面だけでなく、悪意ある連中によって多大な迷惑を被る社会にもなるってことをよく理解しておかないといけない。  
 
 玉石混交のニュースが飛び交う社会になれば、ニュースも発信元の証明が必要になる時代になるかもね。
              

有名Youtuberと社会の危険

   『欧州議会選挙の投票が、6月6日から9日にかけて加盟27ヵ国でおこなわれ、キプロスでは、無所属で立候補した”迷惑系YouTuber”で知られる、フィディアス・パナイオトゥ(24)が当選した。

    YouTubeチャンネルに262万人(’24年6月12日時点)の登録者数を持つフィディアス。実業家のイーロン・マスク氏ら著名人100人とハグする企画は再生回数1500万回を超える有名YouTuberだ。

 日本でフィディアスが特に注目されたのは’23年10月にYouTubeに投稿された”新幹線の無賃乗車”の動画だ。

 フィディアスは「無料で電車に乗る方法を教えます」として、西九州新幹線に乗り込みトイレに籠城。目的地でトイレから出ると、待ち構えていた駅員から乗車券の提示を求められるも、隙をついて逃走。電車を乗り継ぎ岡山まで移動した様子を動画で公開した。

 この問題でJR九州は’23年11月、警察に被害届を提出している。 その他にも動画内では、手持ちの現金がバスの運賃に足らず警察で取り調べを受けたり、泊まっていないホテルの朝食ビュッフェを勝手に食べるなどの様子が収められていた。

 フィディアスは、その後動画のコメント欄で”不快にさせるつもりはなかった”と謝罪した。

 そもそも欧州議会とはEUの立法機関で、EU27ヵ国の市民が各国の代表となる議員を5年ごとの直接選挙で選ぶ。議席数は720議席で住民数に比例して各国に割り振られ、市民はその国の候補者に投票できるという仕組み。

 さまざまな政策分野の立法権を持つ欧州議会は、EUにおける新しい法律を審査し承認するなどの重要な役割がある。

フィディアスは、政治経験もなければ、EU圏に関する知識もないことを本人も認めています。 その上で、ソーシャルメディアをフル活用して若年層に投票を呼び掛け、得票率19.4%で予想に反して当選を果たしました。従来の政治にノーを突きつけたい有権者の支持を集めたものとみられています。

 キプロスの国営放送では”各政党は、現代に合わせてアップデートすべき”などと発言していて、国内では影響力を持ったインフルエンサーという扱いなのかもしれませんが、日本では”犯罪者”とのイメージも強く、フィディアスの当選に抵抗があるのも無理はないでしょう」(全国紙国際部記者)

 Xやネット上ではフィディアスの当選を嘆く声が続出した。

犯罪youtuberが欧州議会議員デビュー そんなに人材いないのかな》 《他国で悪意ある迷惑かけて、欧州の議員になれるなんて、信じられない!》 《は?!あの青髪無賃乗車外国人、議員になったの?!世も末じゃん》 《世の中、一体どうなってんだろうか…。》 《ある種の衆愚政治と言うかなんというか・・・有名youtuberの詭弁に扇動されちゃった人たちがコミュニティフォローをするような軽い感覚で投票した結果にも見えますね》』

 無所属で立候補した”迷惑系YouTuber”で知られる、フィディアス・パナイオトゥ(24)が当選したというニュースが今回のテーマ。

 単なる迷惑Youtuberであれば、遠く離れたキプロスの話など日本でニュースにもならないだろう。

 フィディアスが有名なのは、迷惑Youtuberとして新幹線の無賃乗車の動画を流して日本では犯罪者だからだ。 日本人の親切心を逆手にとって、好き勝手して多くの批判を受けた迷惑Youtuberだ。

 キプロスは地中海に浮かぶ島国で、あまりヨーロッパと認識していない人もいるかもしれない。

 実はキプロスは政治的対立が大きく南はギリシャ系領、北側はトルコ系領となって1つの国という態をなしていない。

 キプロスはトルコ系とギリシャ系の対立が根深く、キプロス人と言っても一筋縄ではいかない。トルコ、ギリシャの2国も関わっていたりするからね。

 迷惑Youtuberのフィディアスがどちらかははっきりしないが、ギリシャ語を使っているようなのでギリシャ系ではないかと推測される。

 その犯罪者のフィディアスが、欧州議会のEUの立法機関で、EU27ヵ国の市民が各国の代表となる議員に当選したという。

 欧州議会の議員ヨーロッパ全体を見て法律などを設定する仕事で、政治経験もなければ、EU圏に関する知識もない犯罪者のフィディアが当選したことが非常に危険な兆候だと映る。

 日本とキプロスでは政治に対する感覚が違うのかもしれないが、インフルエンサーに対する影響力の大きさには驚かされるね。

 キプロスというEUの小国の話とは言え、有名Youtuberであれば、その仕事に適しているかどうかなど問題しないキプロス国民が多いという事だからだ。

 キプロスの若者が既存の政治家に飽きてうんざりしているという見方もできるが、日本で犯罪者になった迷惑Youtuber欧州議会に何の知識もない人物が議員になったという事実は驚きだ。

 つまり現状に不満がある人間が多くなれば、有名なだけで無能な人物が政治を動かすということになるかもしれないということ。そうなると、どこかの独裁者に近い。

  日本でもガーシー暴露系Youtuberとして有名になり、国会議員までなったが、海外にずっといて一度も登会せずに逮捕された事件があった。これも今までの地盤看板という従来の日本の政治の常識を打ち破った点でも注目されたよね。

 多くの若者は政治や政策に興味がない。 ただ、現状に不満を持っていれば、自分が見ているYoutuberSNSのインフルエンサーに多大に影響されるという事がわかってきている。

 最近ではヨーロッパでも極右勢力の躍進が目覚ましいというニュースも多くなってきている。

 ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナの紛争は世界中を巻き込んで、各国の立場をより複雑にしている。

 ロシアの一方的な領土拡大の為のウクライナ侵攻は、当初は世界で非難の声が大半であった。
 しかし、最近では中国がロシア援助に動き、北朝鮮などのかつての共産国マリ、ブルキナファソなど中央アフリカフランス軍や米軍を捨ててロシアに寄り添うようになったりと、かつての冷戦時代に近い形になってきている。

 米ソ冷戦時代COCOMという共産主義国向けの輸出制限が厳しかった。 軍事や核開発に応用できるようなものは、最近でも中国やロシアなどに輸出する場合はより厳格になってきている。中国、ロシアも対抗処置を取り、かつての冷戦時代に似てきているよね・・・。

 EUウクライナ支持であるが、セルビアEU加盟と希望しているにもかかわらずロシアのプーチン寄りである。

 ヨーロッパもかつては西側と東側に分かれ、東側はソ連(現在のロシア)の衛星国であったので、EUも拡大するにつれ、各国の複雑な事情を反映するようになっている。

 そんなEUの欧州議会の議員が、犯罪者の政治的無知なYoutuber

 今後このような現象がどんどん起きてくるかと思うと、SNSのインフルエンサー対策というものも政治に必要になってくるかもしれないね。

 色んな考え方の人が出てくるのはいいけど、議員という仕事の最低限の知識は必要だと思った次第です。

交通機関に顔認証

顔認証をチケットに代えてバスなどに乗車できるシステム「ユーカリPASS」が6月15日より、千葉県佐倉市のユーカリが丘において本格始動する。

   日本で初めての本格的な顔認証乗車システムだ。

 新交通システム山万ユーカリが丘線とコミュニティバス(こあらバス)で利用可能だ。ユーカリが丘は、1971年に山万によって開発が開始されたニュータウン

 山万ユーカリが丘線はニュータウンの中心を走る新交通システムだ。コミュニティバスは地域内に2路線がある。

 今回導入される「ユーカリPASS」は、パナソニックコネクトの顔認証技術ジョルダンの決済システム「JorudanStyle Point&Pass」とを組み合わせたもの。

 山万とジョルダンが共同で開発した。

 非接触・非対面での本人確認とチケット確認、乗車管理を行ない、シームレスな乗車を利用者の「顔」ひとつで実現できる。

 山万とジョルダンは、2021年5月10日から、山万コミュニティバスでの顔認証乗車によるシステムの実証実験を開始し、同年9月15日に山万ユーカリが丘線でのサービスを追加し、2023年3月まで、複数の交通機関の連携を通じた交通環境(マルチモーダル交通体系)整備の実証実験を行なってきた。

 山万では、地域内の公共交通の決済手段を現在の切符・磁気券から新たに顔認証によるキャッシュレス決済へと変更させることにより、公共交通機関の利便性を向上させることを意図する。

 これまで磁気券を発券していた券売機についても、ユーカリPASSの導入にあわせて、QRチケットを発行する券売機へ移行する。』

 千葉県佐倉市のユーカリが丘の新交通システム山万ユーカリが丘線とコミュニティバスで日本で初めての顔認証パスを導入する。

ユーカリPASS」は顔認証乗車システムのことで、パナソニック コネクトによる顔認証技術とジョルダンの決済・チケット管理システム「JorudanStyle Point&Pass」を使っている。

 接触もせず対面もしなくて本人を確認でき、チケット確認、乗車管理も行うシステム。利用者の「顔」だけで全部支払いも完了し、乗車可能になる。

 確かに便利だ。  
 定期を買ったり、金額をチャージしたり、切符を買ったりする時間を節約できる。

 磁気券を発券していた券売機はQRチケットに変更するらしい。
 QRチケットというのは、購入のチケット情報が入った、2次元バーコード(QRコード)電子チケットのことだ。

 スマートフォンやタブレットに表示したり、それを印刷して、入口の認証機にかざすことで入ることができるというもの。 まあ、海外ではQRチケット(バーコードチケット)が一般的になっているところもあるね。

 マレーシアなどは長距離バスに乗る際は、パスポートなど身分証を提示してチケットを買うけど、その際はQRチケットを渡される。

 待合室に入るのに、出発時間の何分前からかしか入れない仕組みになっている。 つまりチケットを持っていても早めの入室ができないということ。

 ただ、今回はそれを上回る顔認証

 ニュータウンだから住民が限られているからやりやすい面もありそうだけど、どうなるのかな?
 顔パスという言葉もある通り、チケットなどなくても改札を通ったり、バスに乗れるのは魅力的だよね。 ただ、懸念点もある。

 JorudanStyle Point&Passは、顔認証をクレジットカードとリンクする。 という事は、かなりリスクが生じる可能性がある。

 先ずはよくある個人情報漏れ。 顔と名前などの個人情報が今まで以上に晒されることになるよね。 少なくとも、山万とジョルダンの2社には渡っているし、個人の行動記録も丸わかりだ。

 通勤、通学だけでなく、休みのプライベートの時間も何時にどこへ行ったということがわかってしまう。

 2番目はクレジットカードを持てない人はどうなるのかということ。
 デビットカードや銀行カードでも対応するのかな?
 
 このニュータウンに限って言えば別の問題もありそうだけど。
 ユーカリが丘は1971年に山万によって開発が開始されたとあるので既に50年経っている。

 そうなると、最初に家を買った人は70代、80代の人達ではないだろう。
 そんなお年寄りがスマホ決済を使いこなししたり、クレジットカードそのものを持っているのだろうか。
 
 それとも、新しく開発したところが多く、現在の住民の平均年齢は30,40代なのだろうか??
 顔認証は何もしなくていいので、そういう点では、財布やスマホを忘れたとしても乗車に関しては大丈夫だけどね。
 ただ、そうなったら、目的地に着くまで気付かないから、逆に困るのではないかな? 

 3番目は顔などに大怪我を負った場合は、どうなるのだろう?
 いや大怪我でなくても、美しくなりたいと整形をしたら機械に判別されなくなって乗れなくなったという笑い話も出てきそうだけど(笑)。

  顔認証が広まると、整形疑惑とともになりすまし疑惑も発生するかもしれないな。

 要は公共交通機関の利便性の向上とプライバシーの問題をどう考えるか。
 
 ただ世界ではIT技術は年々凄まじい進化をしているのに、日本はあらゆる場面で遅れているのも事実。 決済・チケット管理システム「JorudanStyle Point&Pass」もこのニュースで脚光を浴びた。

 ジョルダンにとっては、飛躍のチャンスでもあるし、業界としても大いに注目しているだろう。

 今回の山万とジョルダンの試みが、日本の現金主義の壁に風穴を開け、IT化に貢献することは間違いない。 顔認証のデメリットをどのように克服して、人々に広めていくか。
要注目のニュースだね。