宗教施設に預けられた女、3児の母となる -9ページ目

宗教施設に預けられた女、3児の母となる

小学生の頃、特殊な共同生活の村に預けられる。
その経験が、今の子育てにどう影響してるのか…。
試行錯誤しながら奮闘中!

*小5・小1・年少 3兄妹のママ

*お庭で菌ちゃん農法

*望診薬膳アドバイザーになる!

エイプリルフールでもなんでもない
ごく普通の日だった。

「話があります」

小2の冬、突然正座させられ、
両親が真顔で話し始めた。

「おこづかいは来月から無しにしようか」

ウソだよね……… 
無邪気な小2の私は、
正座のまま固まった。


その少し前から、少しずつ両親が
宗教団体に傾倒していくのがわかった。

いや、当時はそんなこと
わかっていなかったかもしれない。

ただ、その団体主催の
子供対象の1週間の合宿に
何度も参加させられていた。

『金の要らない 仲良い楽しい村』
村の入り口に掲げられたスローガン。

大勢の子供達と、数人の世話係の青年で、
1週間 寝食を共にした。
日中は、ひたすら畑仕事と、
牛・豚・鶏小屋で動物たちの世話。

家族と離れてちょっとは寂しかったけど、
刺激的であっという間の時間ではあった。

その間、親は親で、大人対象の洗脳合宿に
どっぷり参加していたようだ。


そして、ついに
小3の春から、そこの児童施設に
あなた一人、預けます、と告げられた。

は?!?! 何考えてるの?!?!
そりゃ、1週間の体験合宿は、
新鮮な体験をたくさんして
いい顔して帰ってきたのかもしれない。
でもさ、365日ずっととなると
話は全く違うじゃん?!?!
頭おかしくなっちゃったの?!?!

とにかく全力で抵抗した。


事前に面接もあった。
施設に入りたくない理由を
小さな頭でいっぱいいっぱい考えていって、
必死に訴えたんだけど………

結果は合格だった………


それからどのような感情で過ごしたのかを、
私は覚えていない。

ただ、施設に向かう車内で
1時間半ずっとずっと泣いていた。

「お母さん、置いてかないで!!
 お父さん、お願い!!」

泣き叫ぶ長女を預けて、
母は、父は、どんな気持ちで
車のドアを閉めて、
アクセルを踏んだのだろうか……

『金の要らない 仲良い楽しい』理想郷にでも
預けたつもりだったのか………




正直、長男が反抗期に入って
しょっちゅうぶつかるようになってから、

「もしかして、当時の両親も
私の扱いに困って悩ませていたのかな…

『この子をよそにやれば
穏やかな日々が戻るかも』
そんな思いも多少はあったのかな………」

なんて考えが何度も頭をよぎった。

長男がかわいいかわいい赤ちゃんの頃には
まさか自分も同じ心境に陥るなんて、
考えもしなかった。

長女をよそにやった両親の決断に
ちょっとでも同情できてしまう自分に
吐き気がした。




次回:
そして私は『金の要らない仲良い楽しい村』で
現実を思い知ることになる——。

(長男小3の春。農業体験も大切ではあるけども)