ボブ・ディランの余韻
ボブ・ディラン
81歳(来月で82歳を迎える)
米国のシンガーソングライター
二月に突然発表されて驚いた
七年ぶりの日本ツアー🎶
今回のバンドメンバーに
僕の好きな
チャーリー・セクストンの名前は記されてなかった。
新しい3人のメンバーを迎え入れ
計5人のバンドを従えて
ボブは、終始ほぼ立ったまま
ベイビーグランドピアノを弾きながら歌うスタイルで
各公演約1時間40分をノンストップで駆け抜け
大阪3公演→東京5公演→名古屋3公演
二週間で計11公演、なんなく完走したという。
ボブにとって
年齢なんて
関係ないって事が
証明された来日公演に脱帽です。
僕は東京公演が行われた
有明ガーデンシアターに参戦🎶
いまの私(ボブ)が
ステージで表現したい事
どこまでカタチにできるか
今日もココで実験するので
皆の衆
しかとご覧あれ!!
と、言わんばかり。
有名曲はセットリストに入れず
最新オリジナルアルバム
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』収録曲を軸とし
現在進行形の音とパフォーマンスを
包み隠さず届けてくれた🎶
ノーベル文学賞まで受賞した
その御大の探究心は
まったく枯れる事を知らずで
凄みの極み・極みの凄み
年齢からして
今回が最後の日本ツアー??
そう思うと尚更に
懐メロのオンパレードで
ファンやお客を喜ばせるのが
どう考えても普通だが
普通じゃないのが
ボブ・ディラン
普通じゃないから
ボブ・ディラン
初めて参戦した人からしたら
肩すかし感は否めないと思うが
それが、ボブ・ディランのライブコンサートで
常に進化形を披露してくれる。
例えば
blowing the wind
like a rolling stone
といった
超有名曲を披露してくれたところで
レコードに収録された音源とは
メロディーもアレンジも
曲によっては歌詞の一部も違うアプローチ
それは最新作までも同様に
どの曲も進化形でボブは披露するので
我々に刻まれている
その懐メロ感は無いに等しいのだから
結局は、どのみちなのだ。
何度もボブのライブに参戦し体感している人は
逆にそれを楽しみにして
十分承知で毎回足を運んでいるに違いなく
なにを隠そう僕も、その中毒者の一人だ。
ボブのライブコンサートは
即興のジャズセッションに近いので
同じライブは、まったく存在しない。
こちらの心構えとしては
ボブから何が飛びだしてこようと
受けとめ感じて音を楽しむ🎶
玉手箱を開けるように
ドキドキわくわくしながら。
バンドメンバーは相当に大変だと思う
ボブの一挙手一投足を
一瞬たりとも見逃さずまいと演奏するのだから。
今回の来日公演は
スマホも双眼鏡も持ち込み禁止で
会場入場時に金属探知機?で
身体と持ち物の厳重なチェックがあった。
スマホは電源オフして渡された専用ポーチに入れ各自が座席まで持参できるが
取り出す事ができない仕組みになっていて
終演後退場する際
スタッフに解除してもらい
専用ポーチを返却するカタチだった。
僕の座席は
最上階の中央後方
開演までの時間
場内は無音で
クラッシックコンサートに来たみたいで
とても新鮮だった🎶
ステージ上には
大がかりなセットも
大型ビジョンスクリーンもなく
ただ中央に各楽器とアンプとマイクのみで
音を出すのに必要なモノ以外は
何も無かったと記憶している。
開演時間の2分前に!?
ステージ照明が薄暗くなり場内に音楽が流れた
ベートーベンの交響曲第九番・合唱付きの第一楽章がオープニングSEだった♪
ボブとバンドメンバーが
のそっと、ゆるりと現れて
それぞれの立ち位置へつき
担当楽器のサウンドチェックをしながら?
セッションするように各々が弾きはじめ♪
次第に音が重なり
客電は消されずに点灯したまま
「川の流れを見つめて:watching the river flow」で始まった🎶
僕にとって、その光景は
斬新に映ったにもかかわらず
あまりにも自然すぎて
もう初っ端から完全に心を鷲掴みにされ
異空間へと導かれてしまい
最後まで集中力途切れる事なく
ボブとバンドの現在進行形・進化形サウンドを
余す事なく浴びて感じる事ができ
14曲目にサプライズ曲もあり
〆は「every grain of sand」
大喝采のスタンディングオベーションで
芸術の旅路が終わり
至福の時間を堪能させてくれた☆☆☆
そういう事か!
スマホも双眼鏡も
開演するまで場内無音も
ピンスポットまでも使わず常に薄暗いステージ照明でのパフォーマンスも
点灯したままの客電も
大がかりなセット無しも
演者を映しだす大型スクリーンビジョン無しも
すべてはボブの演出だったのだと確信できた。
現在の私(ボブ)の音に集中し
聴いて感じとって
しかと受けとめたらよい
皆の衆!いまの気分はどうだ!!
81歳のボブ・ディラン
僕の席からでは
その表情までは目視する事はできなかったが
ちょっとした動きと音から
この日のボブは、ご機嫌だったと感じられた☆
なによりも
その歌声とブルースハープの音色は
衰えを感じさせるどころか
七年前の来日公演より
パワーアップしているように響き届き
度肝を抜かされ
ボブが弾くピアノは
より自由度を増して豊かな音色を奏でていて
ノスタルジー感は皆無で
終始、酔いしれ痺れさせられた☆
会場をあとにし豊洲駅まで歩いた
正しくは、歩きたかった
気持ちは、家まで歩きたかった
途中、誰もいない川沿いで
川の流れを見つめて
夜風にあたり余韻と戯れながらの一服は
この先も忘れる事はないような
いつになく、深い味わいがした☆
生前父が言っていた
"自分と同じ歳のボブ・ディランのステージを
一度は観てみたい" と
前回の来日公演に連れて行く約束をしていたが
病状が進み断念…父と一緒に参戦できず
その二年後に永眠。
今回の参戦は
ポケットに写真を忍ばせ父と共に
カタチは違えど約束を叶える事ができた☆
そう言った意味でも再び来日公演をしてくれた
ボブ・ディランに感謝☆☆☆
ありがとう!ボブ!!