皆さんは漫画『リエゾン』をご存じですか?

児童精神科を舞台に、生きづらさを抱えた(主に発達障害を持つ)子どもたちをテーマにした漫画です。

ある日、本屋さんでふと漫画コーナーを覗くと...

なんと、場面緘黙の文字が❗️

リエゾンが今度は、場面緘黙をテーマにしていたのです。

場面緘黙は子どもが発症する精神障害なので、リエゾンに出てきても何も違和感は無いのですが、

当事者の私はめちゃくちゃビックリして、一瞬、目が点になりました(°_°)

場面緘黙の子どもは小学校に一人はいるらしく、マイノリティとはいえ物凄くレアというわけでもないのですが、当事者の大人しい性格ゆえに周知されないマイナー疾患でした。今二十代の私も精神科では診断がつかず、『世界仰天ニュース』というテレビ番組でようやく耳にしたレベルです。

リエゾンは発達障害(ASDやADHD)をテーマにしていて親近感がありましたが、まさか場面緘黙が出てくるとは思ってもみませんでした。

こうやって有名な漫画で描かれ認知度が高まるのは、当事者としては嬉しい部分があります。

一方で「漫画での話はあくまで一例に過ぎないのに、それが全ての当事者に当てはまるという勘違いが起こるのではないか」と危惧しています。

以下漫画を読んで「ここは良い表現だな」と感じた点と、「ここは気をつけて読むべき」と思った点を当事者目線でピックアップしました。


【良かったシーン】


学校では話さないけど、あるパン屋では楽しく話す、という描写。

場面緘黙と人見知りの違いが、ハッキリと描かれています。

場面緘黙で辛かったことの一つに、人見知りと間違われるというのがあります。

人見知りの人は慣れれば話せる。けど場面緘黙だと、ある特定の場面では慣れても話せなかったり、逆に上記のように相手が威圧的なのに不思議と喋れたりと、決して分かりやすいものではないのです。「喋れない自分を知ってる相手の前では喋れない」ってところもまさにその通り!私も、「話すの苦手だけど頑張ります!」とかカミングアウトした場所に限って話せず動かず、だったなぁ...(遠い目)

私は喋れない場所で「あなたのペースでいいから(←ここめっちゃ強調された...❗️🥲)、少しずつ打ち解けよう?」と言われて困惑した経験があるので、場面緘黙をこういう描き方で描いてくれるのは、本当にありがたいです。


【読む時に気をつけてほしいシーン】

「ほとんどの子が成長するにつれ自然と治っていくみたい」

「治るまでは、色々な経験をさせてあげた方がいい」

と、お父さんがお母さんに伝えるシーン。

成長するにつれ自然に治る」

これは危ない考え方です。むしろ、私は子どもの頃より多感な思春期の方が、緘黙の症状が強かったです。あと、症状が改善した時は、「何かきっかけがあった時」でした。自然に治るというよりは、大人になっていく過程で、「何らかのきっかけに助けられて」「自分から知らない場所に飛び込んだりと、色々動いて」治した感じです。

あと親が子どもに色んな経験をさせる、ってところなんですけど。

確かに引っ込み思案な子どもに対して、親が率先して色んな経験を積ませてあげるのは大事かもしれません。

ただ、緘黙症に限らず、「あくまで子どもの人生だ」「自分のことは自分で決めさせる」ということを忘れないでください!!

子どもが嫌がっているのにやらせる...

子どもに意思決定させる前に親が動いちゃう...

ということのないように、親御さんは気をつけてください。


※おまけ

【妙に印象に残るシーン】


緘黙だった莉子ちゃんが大学生になって、パン屋でアルバイトしてるシーン。

容姿がね、地味な感じで眼鏡かけてて...っていう。

緘黙症だと、大人しい性格と見られて容姿も控えめな人は多そうなので、なんか、妙にリアルです。私もそうでした。

思春期以降はスクールカーストが形成され、内向型の人にとっては辛いですね😢

地味なのが好みなら構わないんですが、この容姿で周囲から言われる言葉に傷ついたことも多いので、女の子は色々メイクしたり髪染めたりネイルしたり...と自分好みの容姿にするのがおすすめです✨(お金なくて出来ない方々には鬱陶しい、上から目線のアドバイスすみません💦)

そもそも人を見た目で勝手に判断したり、性格を決めつけて短所を指摘したりするのは良くないです。皆さん気をつけましょう。