のびパパの朝のルーティンは、エネルギー関連ニュース(Eニュース)の検索から始まる。

 毎朝Eニュースを検索し、読むべき記事を取り出しておく。

 もちろん、エネルギー市場に大きな影響を与えそうな国際ニュースも対象だ。

 

 火曜日から土曜日のあいだは、前日の先物市場NYMEX終値をメモし、欧州ガス在庫の数値を確認し、日経及びロイターの市場短評等をチェックする。取り出しておいたニュースの中で、特に関係の深い記事を読み、メモを取る。

 それから連載している「NTMEX終値報告」を書き、大きなエネルギー関連テーマがあると不定期連載「岩瀬昇のエネルギーブログ」を書き始める。

 エネルギー関連ではないが、気になり書き残しておきたいテーマがある場合は、今日のように「のびパパ軽井沢日記」を書き出すといった具合だ。

 

 こういったルーティンをしているとき、最近はradiko「FM Tokyo」にチューニングして聴いている。

 吉田明世アナが出演している「One Morning」が2019年4月に始まるまでは「TBS」の「森本毅郎・スタンバイ!」を聞いていた。故あってのびパパは「TBS」ファンなのだ。

(そういえば吉田明世アナも元TBSだな)

 それぞれの番組が「ターゲット」にしている視聴者年代が大きく異なるということも、この毎朝のルーティン微調整から知ったことだった。

 「スタンバイ!」と「One Moring」では放送内容が違うので、聴いていると世界がまったく別のものに見えてくる。面白いですよ。

 

 

 都心でも降雪予報が出されている今朝(2024年2月5日)、「One Morning」の視聴者アンケート「AuDee JUDGE」のテーマは

 

〈就職先を決める時、自分と親どっちの意見を優先しましたか?(しますか)〉

 

だった。

 最近「オヤカク」という言葉が流行っているからだそうだ。

 

「オヤカク」とは、

 

〈企業が内定を出した学生の親に対して自社の事を紹介したり、内定同意の確認を取ったりする行為〉

 

のこと。

 

 

 そういえば2016年には、藤井フミヤ夫妻が「フジテレビ」の入社式に出席して話題になったことがある。息子さんが新入社員として入社したからだ(*1)。

 

 フジテレビでは、毎年豪華なゲストを読んで入社式を盛り上げているのだそうだが、関連記事には次のような記載があった(*2)。

 

〈入社式のみならず、今では就職ガイダンスの時から父母が同伴するのも当たり前。就職は“家族の問題”という意識が高まっているようで、リクルートキャリアの『就職白書』によれば、「就職活動の相談相手」として「家族」を選ぶ大学・大学院卒業予定者の割合は、2012年の45.1%から、2015年には53.9%に急増している。〉

 

 「NHK」でも2023年2月20日、「就活ニュース オヤカクって?」という記事を掲載していた(*3)。

 

 今年になってからでも「読売新聞」が2024年1月31日、「学生優位の新卒採用、親の存在感が...内定辞退を恐れる企業が「オヤカク」に注力」という記事を掲載している(*4)。

 

 

 記事内容はタイトルそのままだ。

 今の就職戦線では、学生が優位なので企業側が「内定辞退防御策」として「オヤカク」をしている、というのだ。

 

 だが、とのびパパは思う。

 就職戦線が今の学生優位から企業優位に変わったらどうなるのだろうか? 

 企業の側は求めないが、学生(の親)が求め続けるということになるのではないだろうか。

 

 このようにオヤカクは、学生に内定を出したのに来てもらえない事への企業側の対策として始まったものだが、今朝の「One Morning」は学生側に焦点をあてているものだった。

 

 番組を聞いたのびパパの第一印象は、

 

 〈えッ、就職も自分で決められない人がいるの!?〉

 

だった。

 

 だが、番組最後に発表された投票結果では、89% vs 11%で「自分で決める(た)」人が多かったのでちょっぴり安心した。

 

 安心するのは早いかな。

 おそらくこれは全体調査だろう。何年も前に就職した人も、子供が就活していた時に経験された親御さんの回答も含まれているのだろう。

 いま就活中の学生さんだけに絞ったら、結果は大きく違うんじゃないかな? 

 

 また冷静に考えると、事の本質はおそらく「子供が相談する」というより「親が口を出す」という問題ではないだろうか。

 だから就職戦線が「企業に優位」な情勢となっても、オヤカクは続くのでは、とのびパパは思う。

 

 話は変わるが、のびパパは本日記『#131 総ゼネラリスト社会を前提とする「定年制」』(2024年1月14日、*4)を書いてから、『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』(小熊英二、2019年7月、講談社現代新書、*5)を読んで多くのことを学んだ。特に、のびパパの人生は、同書が指摘している日本社会の三類型の1つ「大企業型」そのもので、これは全体の26%に過ぎないという事実は目からウロコだった。

 

 ちなみに「大企業型」とは「正社員として終身雇用」が約束されている人たちで、他には「地元から離れない」「地元型」(36%)と「地元に足場があるわけではない」「残余型」(38%)の2つがあるとのことだ。そして社会全体の構造を規定しているのは「大企業型」だ、と。

 

 現在就活されている学生さんの親御さんは、のびパパより若い世代だ。

 『日本社会のしくみ』に記載されている高度成長期以降の社会のしくみ、社会構造の中で生活されてきた方たちだろう。だから「終身雇用」でぶじ「定年」を迎えられるような企業への就職が子供のためだ、と信じているのだ。

 

 でもね、とのびパパは思う。

 

 時代は時々刻々変化している。

 いまの優秀な企業も、決して未来永劫安泰ではない。

 たとえば「東芝」がその一例だ。

 

 

 1875年創業の重電メーカーだった「東芝」は、2000年には5兆9500億円あった売上高も2020年には3兆5400億円に、従業員数も同18万8千人から11万7千人へと共に4割減となり、2023年には「日本産業パートナーズ」に買収され、上場廃止となってしまったのだ。

 再建への道のりは容易ではなく、従業員のリストラは必至だろう。

 

 親から子供へ「知識・経験」を伝承した時代は遠くへ飛び去ってしまった。

 今はむしろ、親が子供と一緒にあらゆることを学ぶ時代になっている。

 学ぶことを止めたら、親はその時から子供から教えてもらわなければならない、そういう時代なのだ。

 だから大事なことは、自分で問題を認識し、時の変化に対応できる能力を身に着けることではないだろうか。

 

 そのために必要なことは何か?

 

 難しい問題なのでゆっくり考えて、きちんと整理してからお話しすべきだろうが、対応策は人さまざまだろう。

のびパパは「好奇心」を維持し続けることだと思っている。

 

 読者の皆さんはどう思われますか?

 

 (言い忘れたけど、英語はミニマムだからね)

 

*1 藤井フミヤ長男、フジのアナウンサーに!両親が見守る中で入社式(1/2ページ) - 産経ニュース (sankei.com)

*2 藤井フミヤが息子のフジテレビ入社式へ 親出席の式増える|NEWSポストセブン (news-postseven.com)

*3 “オヤカク”経験 半数近く 子供の就活への向き合い方|NHK就活応援ニュースゼミ

*4 学生優位の新卒採用、親の存在感が台頭…内定辞退恐れる企業が「オヤカク」に注力 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

*5 のびパパ軽井沢日記(笹塚編)#131 総ゼネラリスト社会を前提とする「定年制」 | のびパパ軽井沢日記 (ameblo.jp)

*6 日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 (講談社現代新書) | 小熊 英二 |本 | 通販 | Amazon