三鷹芸術文化センターでかるがも団地—初見の劇団—の「三ノ輪の三姉妹」を観た。

 

******** 演劇サイト より ********

荒川区三ノ輪。
下町を走る路面電車と、都心を巡る地下鉄の交差点。
古びたアーケード商店街から一本路地を入った所にある家で、私たちは育ちました。

姉の葉月、私・苑子、妹の茜。
私たちは誠に嚙み合わせの悪い姉妹です。
今更修復するのも面倒な溝を、互いの間に保ったまま大人になりました。

そんな三人をひとりで育てあげ、
どんな時も分け隔てない愛で包んでくれた奔放な母は今、くたばろうとしています。
生い先そう長くない彼女を前に、
わたしは、わたしたちは、
これからどこに向かえばよいのか、今更のように考え出すのでした。

家族。なぜか共に生きてしまった、いちばん近い他人。
寝苦しいひと夏のギクシャク。張り切ってどうぞ。

 

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舞台中央には三姉妹が育った三ノ輪の木造家屋の居間、下手には母親が入院しているベッドが置かれている。

 

商店街の昔からある親子代々で営んでいる美容院、三女が働いている焼き鳥屋、台詞に出てくる”都電”、とタイトルにもなっている下町三ノ輪の様子が目に浮かぶようだ。

 

そんな下町家族の三姉妹、だからこそ家族のつながりが重大要素の一つであるのだろう—これが新興住宅地のタワマンでの話とか、子供たちが都会へ出ていって音信不通が普通な地方都市だったら、家族が別々であることもよくあることなのかもしれない。

長女の父親喪失のトラウマは別として、それぞれに仕事に恋に忙しい時期(20代後半)なのだろうから、実家に寄り付かないというのもあるあるの話なのかも。

 

という意味で、驚きや発見が少なくちょっとぬるめの内容だった。

母親の3人姉妹を育て上げた葛藤などがもう少し盛り込まれたら、また父親の存在についてのエピソードが語られたら、姉妹のもやもやの解決策にも繋がって良いかも。