神奈川芸術劇場(KAAT)で夏のキッズプログラム、岸田戯曲賞受賞作家で注目の若手演劇人加藤拓也作・演出の「らんぼうものめ」を観てきた。
***** 演劇サイト より ****
親の都合で都会から田舎へ引っ越してきた小学生の薫平は、片付けで忙しい両親を尻目に苛立ち、不満気です。気分転換にと出かけた散歩の途中、突然神さまたちが現れ、母親の由梨を連れ去ってしまいます!どこからか聞こえる由梨の声を辿って見つけた井戸に、意を決して入っていく薫平。すると、今までと同じに見えるその世界では、川の神さま、山の神さま、虫の神さまなど様々な神さまたちが存在し、祭りを行っていました。由梨を取り戻そうと、薫平は太陽の神さまのいる神社を目指しますが…。
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11時開始の回ということで、学校から団体で見に来ている子供たち、またお母さんと連れだっての子供たちが観客席を埋めている。
そんな子供たちに幕開け直後に薫平役の鞘師里保が「トイレに行きたくなったらいつでも行ってね」「見るのが大変になったら外に出ても良いからね」と話しかける。
その声がけのおかげもあってか、この日のキッズ観客たちは積極的に観劇を楽しんでいた印象だ。
大いに笑うし、トイレにも行くし(お友達が行くと行きたくなっちゃうよね)、かけ声も出ていた。
お母さんを助けに妖怪の世界を冒険する、、、とキッズ向けの芝居の設定としては驚くほどではないとは思うのだが、加藤拓也ならではの言葉選び、そしてキモくて可愛いい妖怪たちのいでたちと動きが秀逸。
お行儀よい登場人物ではなく、僕達に身近な登場人物・妖怪たちは「〜じゃん」とくだけた話し言葉で勲平が出した「クソ問題」を解いていく。
途中に挿入されていた「新いひらがなを考えてみよう!」というこの発想も楽しい!!
子供たちの頭の上に浮かぶなんともわからない文字が客席後方から見えるようだ。
ニョロニョロしていたり、ゾロゾロしている妖怪たち(役者さんの顔は見えない)がポコポコと何かを産んだり、分裂したり、、時にシュールな表現もありしっかりと大人向けにもなっている。
この妖怪さんたち、好きだわ〜。
最後に想像を継続させるナゾを残しているのも良い。