夜は王子に移動、北とぴあペガサスホールで鈴木アツト劇団印像の短編2編同時上映企画「3℃の飯より君が好き / メイクアップ(リーディング)」を観た。

このところ「国家と芸術家シリーズ」を銘打った作品群、ジョージ・オーウェルやカレル・チャペック、ミハイル・ブルガーコフなど海外の著名な作家たちの人生を題材にした作品で頭角を現している劇団印像。筆者もこのシリーズを通してこの劇団を知ったため、それ以前に上演されていた作品、児童向けの作品なども知らないためいつもとは趣が違うな、という印象だが、このような作品も以前から上演し続けてきたのだろう。

実際「3℃の飯より君が好き」に関しては2019年に初演を企画していたもののコロナ禍で上演できなかった、という作品とのこと。

今回はその「3℃の飯より君が好き」の夫婦の二人芝居、と中学生の仲良し女子二人と同級生の男子生徒の三人による自分の正義と社会の常識をめぐるものがたりのリーディング上演という構成になっている。

さらに言えば、今回の企画、二人の演出家と2通りの役者(演出・鈴木アツトのチームとPANCETTA一宮周平のチームの2つ)が日替わり(3回ずつ/日あるので両方を観くらべることもできる)で上演している。

 

***** あらすじ 劇団HP より*********

『3℃の飯より君が好き』

とある田舎町に引っ越してきた新婚の夫婦。
ある日の夕方、帰宅した妻のお腹が、突然膨らみ始めた。
妻は「お腹に氷がいる」と言い出すのだが…。
温度を切り口に夫婦の現在と未来を描いた二人芝居。
(第 7回せんだい短編戯曲賞 最終候補作)

『メイクアップ!』

理沙と陽子はアンチ化粧派の中学3年生。
ところが、理沙は演劇部の公演のために、舞台メイクをすることになる。
「裏切り」を許せない陽子はある大きな行動に出る。
心と容姿の変化に戸惑う3人の若者の姿を描く、短編リーディングドラマ。

*****************

 

自分よりも若い世代の人々(作家)がもっと若い中学生のことを想像するとこうなるのか〜、そして世の中がいろいろと生きづらくなっている今時の若夫婦はこんなふうに考えているのか〜〜〜、と単純に興味がわいた。

 

確かにかなりのファンタジーではあるのだが、その基のところにある彼らの悩み、とまどいなどはしっかり伝わってきた。