杉並区の公共劇場座・高円寺で1991年発足の劇団、奥村直義率いるBQMAPの「ジャックはひとり木に登る」を観た。

歴史あるカンパニーだが初見で、まだまだ知らないカンパニーがあるな〜、と。

 

******演劇サイト より********

この物語は、「ジャックと豆の木」のお話ではありません。けれど似ているかもしれません。
ジャックは「切り裂きジャック」のジャック。というわけではありませんが、全く関係ないとも言いきれません。
ミュージカルではありませんが、少し歌います。
そしてファンタジーです。でも童話ではありません。
世界の歪みに気がつき、変えたいと願う、ジャックの物語です。

 

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ここにあるようにジャックと豆の木ではないのだが、ジャックがより良い生活環境を求めて巨大な木を登るというところでは共通している。

 

格差が広がり、ゴミが散乱する底辺に住む下層階級の人たち(ジャックはこちらに属する)と彼らを見下し、監視して取り締まる雲の上に住む上層階級の人たちの話で、雲の上に住んでいるとは言えそこには下層市民にはない生きづらさ、ストレス、その人たちの中での階級・貧富の差があり、人の生きがい、真のしあわせとは?といった教訓が語られている。

そこに友情の価値、また罪を犯した者の改心のエピソードなどが組み込まれたファンタジーとなっている。

 

良い意味でも悪い意味でも最後まで想定外がない、どストレートのストーリーで、久々にここまでのベーシックなテキストの芝居を観たな、という感じ。

 

ラストのあたりで今の社会状況(悪い者たちほど得をしている)が読み取れる部分があり、なるほどね、と思った。

 

お決まりのゲイの登場者ネタは、う〜〜〜ん古めかしさを感じさせるのでいらないかも。