新宿コマのTHEATER MILANO-ZAで三浦大輔の新作「ハザカイキ」を観た。

 

******* 演劇サイト より *******

 

芸能記者である菅原裕一(丸山隆平)が担当することになった、国民的人気タレントの橋本香(恒松祐里)と人気アーティスト・加藤勇(九条ジョー)の熱愛疑惑。リークしたのは、香の友人・野口裕子(横山由依)。
香の父・橋本浩二(風間杜夫)は人気俳優であったが、芸能事務所の社長となり、いまは香のマネージャーの田村修(米村亮太朗)とともにマネージメントをしている。香がまだ幼い頃に、不倫をスクープされ芸能界から姿を消した自身の経験を元に、香にはスキャンダルを起こさないよう諭している。勇のマンションから出てきた香を追い、菅原が入ったスナックには浩二と離婚した香の母・智子(大空ゆうひ)がいた。
菅原には同棲している恋人・鈴木里美(さとうほなみ)と、親友・今井伸二(勝地涼)がいる。菅原は里美との生活に安らぎを得、今井と会うときには仕事の愚痴を話したり、ごく普通に過ごし、そんな生活が今後も続くと信じていたが、実は二人は菅原の仕事を快く思ってはいなかった。
ある日 勇がとある不祥事で芸能界を追放され、事態が急変する。勇との熱愛をスクープされた香にも芸能人としての存続の危機が訪れる。
そんな中、香は菅原に対面し、ある難題を投げつける……。

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2021年に観た三浦作・演出の前作「物語なき、この世界。」↓ は絶賛したのだが、、、

 

 
今回はどうにもいただけない、劇世界がはるか遠くのどこかに浮いているような、、白々しさを感じた。
 
今、世の中で起こっているあれやこれや—週刊誌の過剰な報道、SNSによるスピーディーな情報拡散、それに付随する誹謗中傷、芸能界においてスキャンダルによる出演キャンセルと存在抹消、パワハラ、セクハラスキャンダル、LGBTQ  etc..—をなるべく露悪的に、遠慮せずに描いてみました、ということなのかもしれないが、これらのことは、それこそ小さなスクリーンの中で毎日消費されるネットニュースぐらいで十分で、興味がない、と言うか、わざわざ劇場で確認しなくても良いかも。
 
人気者同士の恋愛が芸能記者に暴露される、、、といったエピソードでも、肝心なのは「そこに愛はあるんか?」ということで、恋人関係ということがスクープされるということには、何ら重要性は感じない。
 
スキャンダラスに見える暴露シーンが続く中、ヒロインの父親で芸能事務所の社長を演じた風間杜夫にはいつものように舞台でのリアルがあった。
舞台役者ってこういう方々のことを言うのだな〜としみじみ思った。
 
そんな彼が元嫁が営むスナックの従業員についての感想をつぶやくシーン「あんな見栄えのよくない子雇っているのか?」のセリフには本当に吐き気がした。