新国立劇場中劇場で坂本龍一が音楽、ダムタイプの高谷がヴィジュアル(映像)を担当し、二人でコンセプトを決め、笙の演奏者宮田まゆみ、そしてダンサー田中泯が演じる「TIME」を観た。

 

*******  演劇サイト より******

坂本龍一、高谷史郎(ダムタイプ)による最新にして最後のシアターピース、日本初上演。
『LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999』に続き坂本龍一が生前全曲を書き下ろし。高谷史郎とコンセプトを考案、創作。田中泯、宮田まゆみ(笙)、石原淋のパフォーマンスとサウンド/インスタレーション/ヴィジュアルアート。そのすべてが、光と水が交錯し幻出する、幾つもの「夢」とともに、劇場空間で融合する。

 

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夏目漱石の「夢十夜」、能の「邯鄲」、そして荘子の「胡蝶之夢」を題材に人が生きている時間、感覚を基準に測ったその時間の流れ、身体的な長さを田中泯の身体を使いて表している。

 

これぞ完成度の高い”ハイアート、” ヴィジュアル、サウンド、舞台芸術としての身体性、どれもがハイクオリティのステージで、ほうっとため息がでるように美しい。

 

宮田の笙の演奏が始まりと終わりで作品を引き締め、その後は出ずっぱりで田中泯が時間の旅を続けている。

田中の佇まいが美しいのに加え、前述の文学作品を読む彼のナレーションが沁みる。

声、身体、そしてソリッドな顔つき、、、田中泯の存在感が光る作品。