新大久保のR'sアートコートで沖縄の那覇を拠点に世界へも進出(エジンバラ演劇祭で5つ星を獲得)しているACO沖縄主催の「島口説」を観た。素敵なイラストのチラシが目に留まり、今回の「島口説」と「密航者」、沖縄に関しての2本建てのチケットをゲットした。やっぱりチラシって販売ツールとして威力あり!だわ。
******* 演劇サイト より *********
舞台は、米軍基地の街にある居酒屋『スミ子の店』
店で働く2人の女が客たちに語りかける
「私たちの話しを聞かないと、本当の沖縄のことはわかりませんよ」
砲弾の中父母と墓の中に逃れ、生き延びた沖縄戦
廃墟の中で乙女となりメリケンコの袋で作ったワンピースで花嫁となった青春
山原舟にくじら、懐かしい島の暮らし
三線を弾き歌うことで抵抗に立上がった父への思い
戦中・戦後
悲しみや怒りを三線の音色に変え命を守るため明るさと笑いで力強く生き抜いてきた島人の心を歌と踊りと語りにのせて演じる
*****************
三線奏者の平良大さんを紹介
終演後の写真タイムの時に舞台を撮影
設定は本土復帰から7年経った沖縄の基地に近い居酒屋。そこで働くこちらのお二人(城間やよい、知花小百合)さんが息のあった二人の掛け合い漫談よろしく戦中、戦後を生きた沖縄の女性スミ子さんの一生を、劇場の観客=>その居酒屋を訪れた観光客の人々に見立て、当時の沖縄の状況を交えて語っていくという舞台。
先日、津軽弁の芝居を観て、ひゃ〜〜わからん。。と思ったのに、今回はそれに輪をかけて沖縄の言葉がぜ〜〜んぜんわからない(使っていることば自体が別物なので、見当もつかない)。でも、一定のリズム、音程があり、聴いているだけで音楽のよう。日本も北から南まで、さまざまな言葉、方言があって多様な文化があって、とはわかっているものの実際生(ライブ)で会話として聞くとインパクト大。
でも、わからなくても大丈夫〜〜、、そのために沖縄弁で通常スピードで話したあとにすぐ標準語の通訳が入るようになっている。途中、ちょっとした沖縄の言葉の解説などもあり、みんなでその言葉で歌うシーンもあり、新大久保にいながら沖縄文化に触れられる仕掛けが随所に盛り込まれている。
戦中、戦後の人々の苦労も(日本全国でそれぞれに違った形であったとは思うが)沖縄独自の米軍が常にある沖縄島と本土(内地)との温度差、沖縄だけが背負わされた負担に関するジレンマなどがスミ子さんが体験した(作・謝名元慶福)話として生き生きとした描写で描かれている。
今更だが、戦後沖縄に課せられたポジションの不条理さ、そこに住む人たちの負担、それに対する葛藤などが頭をよぎる。これは今も続いていることで、これからも常に我がこととして考え続けなければならない、と再認識した。
2人の芸達者な女優さんによる舞台は構造がシンプルゆえに、主人公の一生を伝えるという目的がはっきりと出て、しっかりと伝わってくる。観客を置き去りにしない、観客を巻き込んでの演出も見事(演出:藤井ごう)。
次に観る「密航者」が楽しみになってきた。