夜は高円寺へ移動して、座・高円寺で松田正隆作・演出の「東京トワイライト」を観た。

 

******** 演劇サイト より********

この劇は、「夫婦が新しい家を建てる話」「強盗団が強盗をする話」「仕事を解雇された女性が爆発物を製作する話」の三つが併存して進行します。
この劇で上演されるであろう、「新しい家に移り住む動き」、「強盗を繰り返す動き」、「爆発物を作り出す動き」は、この劇を創作するプロセスで開発された俳優の身ぶりによって表現されることになるでしょう。
既存の「移り住むこと」「強盗すること」「爆発物を作ること」を引用しつつも、それらの身ぶりが新たな演劇の創造力を生み出すことを願っています。―――――松田正隆

 

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座・高円寺で行なっている演劇人を育てるプロジェクトの劇場創造アカデミーの卒業生たちからオーディションで選ばれた7人が参加している。当日パンフを見ると、彼らはそれぞれに俳優業を続けているようだ。

つまり、アカデミー終了時にも座・高円寺で卒業公演の舞台に立った卒業生たちの今を披露する舞台となっている。

 

アカデミーで2011年からテキスト読解の授業を担当している松田が今回、卒業生たちに課した課題はなかなかにハードなものだった。

 

全く何もない空間(舞台セット、小道具はない)に次々と放り込まれる役者たちは、上記の作家・演出家自身による解説にあるように、「夫婦が新しい家を建てる話」「強盗団が強盗をする話」「仕事を解雇された女性が爆発物を製作する話」の3つの話をパントマイムで披露していく。

エピソードがブツブツと分断された状態で紹介されていくので、視覚情報に乏しい舞台の状況は繰り返されることでかろうじて、あこの二人は夫婦で引っ越してきたんだな、、とかこの男たちは強盗?泥棒?  とわかってくるようになる。

 

状況説明もなく、台詞もほとんどなく、あったとしてもボゾボソと小声で呟かれるので半分ぐらいまでは何が起こっているのか??わからないまま次々と現れるシーンを、これは何なのだろう?と思いながら、、もしかしたらわからない、、それが意図するところなのだろうか???などと思いながら見続けることとなった。

 

演劇とは、演技とは、再現するとは、、、といったことを考察する実験的な演劇なのだろうが、、それをアカデミーの授業の一環、またはそれに付随するような発表会ではなく、チケットを売っての公演で見せることに疑問を感じた。

このパントマイム演技から彼らの魅力は引き出せたのだろうか???そこまでに達するのはやはりハードルが高いのでは?

 

その中で、清水詩央璃さん(役者)の無表情にはちょっと惹かれた。