昼の吉祥寺から井の頭線で下北沢へ移動、新宿梁山泊の水嶋カンナが2006年に立ち上げた実験演劇ユニットProject  Nyxの女歌舞伎公演第三弾「小栗判官と照手姫 〜愛の奇蹟」をスズナリで観た。

 

カーテンコール

 

2023年の大きな収穫のひとつとして新宿梁山泊の金守珍の「少女都市からの呼び声」の3連作(違った座組み、劇場で同じ戯曲を1年の中で3回上演。それぞれに全く違った良さを出した舞台を作り上げた。)を挙げていることもあり、金の演出舞台ということで要チェック!と思い、チケットを購入したのだが、これが3連作に続いてまたまた見事なエンタメ舞台で大いに、というかあまるほどの満足をもって、堪能することができた。

 

******* 演劇サイト より *******

夫である小栗判官が闘争により暗殺され照手姫は沈倫の生活をおくっていた。
あるとき照手は土車にのった餓鬼阿弥と出逢い、地獄から帰還した夫と知らず介抱する。
照手の無償の愛によってついに小栗は元の姿に戻り二人は浄土で永遠の微笑を交わす―。
数奇な運命に翻弄される夫婦の試練、そして生死を超えて巡り合う愛の奇跡を描いた物語。

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ロックな津軽三味線(駒田早代)あり、黒髪が美しい照手姫の人形遣いあり(by 百鬼ゆめひな)、でもってPorject Nyxの女優陣による色鮮やかな着物衣装に可愛らしいメイクでの小気味良いあうんの呼吸で展開される演技。

そして何と言ってもスピルバーグの映画「グレムリン」かと思うような妖怪=(死後の世界から生き返った小栗判官)の姿で登場した水嶋カンナの餓鬼阿弥の特殊メイクは必見!

全てにお見事!の一言の舞台だった。

 

スズナリの小劇場舞台を存分に使い切ったその見事なチームプレーに気がついたらどんどん劇の世界に引き込まれていった。

 

悲恋から奇蹟をおこす正統派の恋愛ものがたりを、ところどころの笑いとともにストレートに没入することができた。

これこそ現代の歌舞伎、歌舞ったエンタメステージ、、ぜひスズナリで演劇の楽しさが詰まったこのステージを!!